オクトパスの神秘:海の賢者は語る(Netflixで配信中)

今年のアカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画にもノミネートされている

初めての南アフリカの自然を舞台にしたドキュメンタリー作品を

ぜひ多くの方に観てもらいたいと!心から思ってこの投稿をしています。

 

ここに出てくる人間はたった2人。

映画制作者であるクレイグ・フォスターと彼の息子のトムだけ。

(奥様であり、この映画のプロダクションマネージャーも務めた

スワティ・ティヤガラジャンさんの姿もちらりと映る程度)

 

その他のキャストは、南アフリカの海の豊かの生物たちがたくさん。

 

そして主役は1匹のメスダコです。

 

クレイグが仕事で精神的にボロボロになり、

カメラ機材などを見るのも嫌になってしまった時に

足を向けたのが、子供の頃毎日潜っていた南アフリカの

荒々しい海でした。

海藻が原生林のように繁った海は温度も低く、獰猛で、

小さい頃に慣れ親しんだはずのクレイグにとっても

恐怖心との戦いから始まりました。

 

本能的にこの海にはタンクも背負わず、

ウェットスーツも身につけず、

出来るだけ生身の自分に近い状態で接したいと感じた彼は

海水パンツにシュノーケルマスクとウェイトとフィンだけつけて

潜るようになりました。

 

そこで見つけたのは身体中に貝殻をまとわせて

まるで海底のオブジェのような姿でじっとしている

1匹のタコでした。

周りの魚もまさに「ギョギョ!」と驚いている様子が

映像で伝わってきます。

 

なぜこんな不思議ないでたちになる必要があったのか?

タコは一体何を考えているのか?

 

クレイグはそのタコに急速に興味を惹かれていきます。

 

「もし毎日このタコに会いに行ったらどうなるだろう?」

 

ここからスタートしたのが、この映画です。

 

タコのこと、全然知りませんでした。

知性と、好奇心と、優美さと、機敏さを兼ね備え、

与えられた命を誠実に守り抜き、役目を果たそうとする

なんと高貴な生き物なのか。。。

 

最初は、クレイグさんがタコオタクすぎて

心情的についていけなかったらどうしようと

ちらりと思ったのですが、

そんな心配は無用でした。

 

まさか、タコのドキュメンタリーを見て

号泣することになろうとは。

 

そしてタコの生態だけでなく、

タコの心までも伝えてくれるほどの映像は必見です。

最初の方に出てくる、貝殻をまとったオブジェのような

姿の理由もちゃんと解明されます。

 

沖縄に住んでいた頃、週末になると近くの海まで歩いて行って

シュノーケリングをしていました。

時々水中カメラで撮影をしたりもしましたが、

海の撮影って本当に本当に難しいのですよね。

気に入った写真なんてほとんど撮れませんでした。

 

それが、この映画では海洋学者もびっくりな

タコの生き様がクリアに、丁寧に撮影されています。

制作チームの素晴らしい技術も、

粘り強い撮影の成果も、

クレイグ自身のダイバーとしての力量も、

人としての好奇心と優しさも、

どれ一つ欠けても成り立たなかったと思います。

 

タコを狙うサメもいます。

そのサメを追い払ってしまいたくなるくらいに

タコのことを大好きになるクレイグ。

でも、それをするのは自然の秩序を乱すことになる。

この苦しい葛藤を抱えながら、

自然の厳しさを見つめるしかないクレイグは

胸が張り裂けんばかりの気持ちだったことでしょう。

大切だから、手を出さずにそっと見つめているしかない。

大切な家族や友人を思うような気持ちでタコのことを

思うようになる、クレイグの独白も心にしみました。

 

そしてタコと毎日会うことで、

クレイグ自身が周りの人や自然に対しての思いを

深めていくプロセスも、とても美しく思えました。

 

あぁもっと語りたいところはたくさんあるのですが、

海の世界の美しさや厳しさを

見る人それぞれが120%楽しんでいただくために

私はそろそろ口をつぐみます。

 

見た方、ぜひ語り合いましょう。

 

あ、私は当分お寿司屋さんに行っても

タコは頼まないかも・・・。

シカクもマルもサンカクも

電車に乗るとスマホ!という方も多いかもしれませんが、

ちょっと目線を上げると他の乗客の方や吊り広告が意外と

面白い観察対象になったりすることもありますよね。

 

そんな吊り広告の中に、

このキャッチコピーを時々見かけませんか?

 

シカクいアタマをマルくする。

 

多分、このキャッチコピーが考えられた当時は

わかりやすくていいフレーズだ!と

評判が良かったのではないかと想像されます。

 

夫と地下鉄に乗っていた時にこの広告を見た夫が言いました。

「このキャッチコピー、本当にいいのかなぁ?」と。

 

四角い頭はダメなのか?

丸い頭じゃないといけないのか?

 

ということが言いたかったようです。

 

今の私には本当にそれが刺さったんですね。

 

というのも、新しい職場で仕事を始めて7ヶ月少々。

一緒に働く仲間の中には、ラジオで働いていた時の

私の周りの人にはあまりいないタイプの方がたくさんいます。

緻密に、地道に、きちんとエビデンスを重ねて、まとめて、

分かりやすく提示できるタイプ、とでもいうのでしょうか。

彼らの仕事っぷりは、非常に深い思考力に支えられていて、

きっちりしていてブレがないことに驚かされます。

着実に、正確に、仕事を遂行する能力が抜群に高いのです。

 

ラジオの仲間がちゃらんぽらんだった訳ではないのですよ。

皆、とても責任感を持って仕事をしてくれていました。

すごく頼りにしていました。

ただ、能力の高い部分が別にあると感じます。

ラジオの仲間は、ものすごく発想力が高くて

非常にセンスが良くて、そのセンスを裏付ける知識も

適切な場所で使っていける人が多かったように思います。

 

今の職場で深い思考力を持つ仲間と同じ仕事をしていても、

私は、新しいアイデアを思いついたり、

違う角度から発展できないか考えてみたり、

なんかもっとワクワクできないかなーとか

思いつきや勢いで進めている部分が多いように思います。

 

どちらが四角いとか丸いとか、

いいとか悪いとかじゃないんです。

 

私には絶対にできない前者のような仕事っぷりの仲間が

いることで、本当に助けてもらっているのです。

私のような勢いとか思いつきばかり多用するタイプには

憧れの眼差ししかありません。

 

何が言いたいかといえば、

シカクいアタマをわざわざマルくすることもなければ、

マルいアタマをあえてシカクくすることもないんじゃないの?

ということなんです。

私の大好きな俳優の1人、ビル・マーレイがインタビューで

かつてこんな話をしていたそうです。

「You are the best person in the world to be YOU」

あなたであることを最も得意とするのはあなたしかいないんだよ。

 

あなたの良さを、無理に他の人の良さに合わせることはないし、

他の人の良さを、あなたと同じにする必要もない。

そもそもそんなことは不可能だと思うのです。

 

でも、学校教育の中で「みんなと同じ」ことをするのを期待され

できない子は「なんでできないの?」と叱られることもあります。

 

まぁ、うちの娘も典型的なそのタイプで、

みんなと同じことをするのが大の苦手。

それで何度も何度も壁にぶつかっています。

壁だけじゃないな・・・先生とも学校ともぶつかってきました(笑)。

 

私もたくさん悩んで、これでいいのだろうかと迷って、

娘とも学校とも様々な話をしてきました。

 

でも、誰から言われたわけでもなく

その人がその人らしくいた結果、

サンカクのアタマになったのなら、

そのサンカクのアタマがとても素敵だということを

親が認めないでどうするのだ!という気持ちに

時間をかけて到達しました。

それが正解かどうかなんてわかりませんが、

私はそう思うに至ったのであって、

この答えももちろん千差万別であってしかるべきです。

 

ただ、私からすると

サンカクのアタマの子供を持っている子が

シカクのアタマを良しとする学校で苦しんで、

いざ受験となったら今度はマルいアタマを目指そうなんて

言われたら、しんどいだろうなと思っただけのこと。

 

努力を放棄するとか、進歩しなくてもいいというのではなく、

自分らしさを失わせるようなことをしても

自分らしさは失われないし、

他の誰かにもなれないと言いたいだけなのです。

だから、みんな自分のできること、得意なことを

一生懸命やっていけばいいのになぁと

思ったという話です。

みんなが同じ形の頭じゃ、そもそも面白くないもの。

 

私は私と違う形のアタマを持つ人たちを心から尊敬するし

その人たちがいてくれること、助けてくれることに

感謝しかありません

(これからも助けていただく気持ち満々)。

 

そして、私も誰かにとってそんな存在になれるように

自分のヘンテコなアタマの形を磨いていくしかないと思うのです。

ワンダータウン・新得

旅を終えて2週間経ってしまいましたが、

ローカル鉄道の旅の続きをちょこっと書いていきますね。

旅の模様はこちらから。

 

帰りは帯広を8:55に出発して、

同じルートを反対方向に進んで札幌に戻りました。

とはいえ、富良野は帰りは通過したし、

13分の停車があった岩見沢では、

帰りは数分で乗り換えがあったりと、

ちょっとした変化があるのも鉄道旅の面白さ。

 

そして、帰り道で4時間の滞在をしたのが新得駅でした。

 

まず、おおっ!と目を惹いたのが

駅前のバスロータリーに面したサウナ!

 

駅前の、言わば一等地にどどーんとサウナって

面白いなぁと思いつつ、

もしかしたらあちこちから鉄道の長旅でやってくる人たちが

ここでしばらく体を癒して、また次の鉄道の旅へ向かう英気を養う

なんて存在になっているのかも?と想像したりもしていました。

 

私たちも4時間あるのでサウナ行く?という話にもなりましたが、

残念ながら新得に着いたのは午前中で、

このサウナは13時オープンだったので断念。

 

代わりにこの町をゆっくり散策することにしました。

新得はお蕎麦が有名なところなので、

あちこちに蕎麦屋さんがありました。

そして次に気になったのが駅前すぐの本屋さん。

 

相馬書店さんというお店なのですが、

ここがもう最高でした。

下の写真で見えますでしょうか。

お店のガラスには子供達が描いた自由な絵がカラフルにお出迎え。

お店の方に伺ったところ、

前に1度このガラスに自由に絵を描いていいよというイベントをしたら

大好評だったので、前回参加できなかった子たちのために

2回目を開催して描かれたものだそうです。

 

もうすぐこの絵は拭き取られる予定だったとのことで、

その前に撮影できてよかった!

 

そして、何が面白いかって、相馬書店が売るのは本だけではないのです。

雑貨も、名物のお蕎麦も、お酒も、美味しそうなチーズも、

お店の中に売っているのです。

もうこの店に住んでもいい!っていうくらいに好きなものが

いっぱい売られていて、笑いがこみ上げてしまいました。

 

しかも、お店では時々パソコン教室が開かれたり、

コーヒーの入れ方ワークショップがあったりと、

地域のコミュニティスペースのような存在にもなっているようです。

このラインナップとイベントの感じって・・・

新得の蔦屋書店やんかー!

とさえ思いました。

 

町の人のニーズに合ったものをうまく地域に提供している

とても素敵なスポットだなと思ったものです。

この相馬書店、気に入りすぎて、4時間の間に4回訪れました(笑)。

 

 

そして、町をさらにぶらつくと、

これって、フキノトウじゃないですかー!

見渡す限りフキノトウだらけの空き地を発見。

いや、よく見ると鉄道のそばの土手とか、

あちこちにいっぱい生えています。

「わー、フキノトウだ!天ぷらにしたら美味しいよね〜」と

興奮している私たちを、近所の人は笑って眺めるだけ。

どうやら採っても良さそうな雰囲気・・・。

 

で、美味しそうなところをちょこっと頂いてきました。

採っても採っても、まだまだ生えている、

フキノトウ豊作な町でした。

 

さらにうろうろしていると、町の図書館を発見。

お邪魔しまーすとそっと入ると、

図書館にしては珍しく、玄関で靴からスリッパに履き替える仕組み。

そして2階建と思われる建物の1階に入ると

子供向けの本だけが部屋を埋め尽くしています。

赤ちゃん向けの絵本から、幼稚園で読まれそうな大型絵本、

ジュニア用の小説など、子供の本の充実っぷりが素晴らしいのです。

このフロアを眺めるだけで、町が子供達を大切に育てようとする

姿勢のようなものを感じました。

図書館の壁には絵本作家さんたちの色紙もいっぱい。

後で調べると、こちらの図書館は絵本作家さんを招いたイベントなども

色々開催されているようです。

 

とっても穏やかで、子供を大事にする豊かな町なのだなぁと

新得の印象がさらに良くなっていく中、

私の新得ポイントをさらに上げてくれたのはこちら!

お猫様〜♡♡♡

 

目つきはちょっと怖そうですが(笑)

めちゃめちゃ人懐っこくて可愛い鳴き声の子でした。

この子は地元の時計屋さんの店の前に繋がれていて、

時計屋さんの店主さんらしき方を含めて

3人のおじちゃまおばちゃまが店の前で談笑しています。

3人の話が盛り上がりすぎていて、

誰も私たちに見向きもしてくれませんでしたが、

この猫ちゃんだけが「にゃー」と声をかけてくれました。

お店の方に「触ってもいいですか、写真撮ってもいいですか?」と

伺ってから撮影タイム。

お名前を教えて欲しかったけど、盛り上がっているお3方に

割り込むことができませんでした(笑)。

 

そういえば、駅前の街路樹の根元にもこんなオブジェが。

 

以前訪れた広島県の尾道は「猫の町」として有名で

出会う猫ちゃんの数もとても多かったのですが、

新得はそういうわけではありません。

でも、猫好きマミコの心をくすぐるには十分!

 

そうそう、麺類好きマミコでもありますので、

もちろんお蕎麦もお土産に買いました。

買ったのは、新得の蔦屋書店・相馬書店です。

 

このお蕎麦を作っている「はら農場」では

農薬や肥料を使わず、クローバーを生やしたり、

蜂を使ったりしながら、出来るだけ自然な形で

お蕎麦を作っているんだそうです。

10割蕎麦、茹でてみたらトロっトロの茹で汁になりました。

蕎麦の成分、ルチンがたっぷり。

蕎麦湯も最高でした。

 

駅のそばの踏切も、電車の本数が少ないから

開きっぱなしで写真撮り放題。

線路の上を歩く、映画「STAND BY ME」ごっこもし放題でした。

お腹が空いてきたので、

駅前の蕎麦屋さんで新得そばをいただき大満足。

 

そして、出発までもう少し時間があったし、

駅前も日差しがいっぱいでぬくぬくだったので

駅前のベンチで残りのワインを飲みながら

出発時間を待ちました。

 

帰った翌日、我が家のテーブルは

新得そばと、フキノトウの天ぷらという

新得セットのようなメニューが並びました。

フキノトウをよく知らなかったうちの夫も

「うわ、これは美味しい」と春の味を喜んでいました。

結局どこに行っても、

食べ物と、お酒と、猫と本。

好きなものは変わらないってことですね。

ノマドランド(2021年3月26日より公開中)

必要最小限の物しか持たない「ミニマリスト」とか

パソコン1つであちこちで仕事をする「ノマドワーカー」とか

なんとなくオシャレな響きがあるような

イマドキなカテゴリーですが、

現実はもっともっと覚悟を決めて、

腹くくって生きるものなのでしょう。

 

キャンピングカーに生活に必要なものすべてを詰め込んで

あちこちを旅しながら暮らす現代のノマド(遊牧民)たち。

実際にノマドとして暮らしている人たちの中に

オスカー女優・フランシス・マクドーマンドが飛び込んで撮影した

フィクションともドキュメンタリーとも言える映画です。

監督は次作はマーベル作品に抜擢されているという、

(ものすごく多才なのでしょうね)クロエ・ジャオです。

 

フランシス・マクドーマンドが演じるのは

夫を亡くし、長年暮らしてきたネバダ州の会社も倒産し

身の回りのものをキャンピングカーに積んで

各地を季節労働者のように渡り歩く暮らしを選んだファーンという女性。

時にはホリデーシーズンで忙しいAmazonの配送センターで働き、

時にはバーガーショップの店員や、工事現場の作業員など

短期労働をしながら

キャンピングカーで移動をします。

そんな現代の遊牧民たちとの交流の中で

ファーンが出会いと別れを繰り返し、

選んだ生き方を静かに描いています。

 

ファーンが出会うノマドの1人に

スワンキーという女性がいます。

彼女は実際にノマドとして暮らしている女性です。

スワンキーの生き方、いや、人生の最期まで見据えた覚悟が

あまりにも潔くて、そして美しくて、

気持ちに突き刺さってきました。

 

非常に私事ですが、

40代後半にもなると、

この間まで笑って同じ時を過ごしていた人が

突然旅立ってしまったり、

ずっと一緒に楽しい時間を重ねていけると信じていた人が

志半ばでいなくなってしまったりする

悲しい出来事も起こるようになってきます。

 

そうやって大切な人を見送るたびに

私はどうやって生きようか、何を大切に人生を歩いていくのか、など

普段の私とは全然違うシリアスな思いにとらわれることもあります。

 

「ノマドランド」を観た後、

また同じように考え込んでしまいました。

私は自分の人生にもっと筋を通すべきではないのか、と。

そんな大それたことではないのです。

小さいけど、大切なことを、もっと大切にしなくてはと思ったのです。

 

それは言葉にするのは難しいけれど

この世を旅立つ時に

「私はたくさん美しいものを目に焼き付けたから、

大満足。もう十分この世界を楽しんだよ」って

言えるように生きていきたい。

多分、あえて言葉にするならこんな感じです。

日常に追われているだけでは、

あまり考えが及ばないところに引っ張り出してくれた

この映画「ノマドランド」にありがとうと言いたいです。

 

原作は、気鋭のジャーナリスト、ジェシカ・ブルーダーの

ノンフィクション「ノマド:漂流する高齢労働者たち」で、

この本自体が大きな話題となりました。

そして映画「ノマドランド」に出てくる

ノマドとして暮らすことを選んだ人たちは、

実際の名前で登場し、彼らがファーンと交わす会話の多くが

アドリブだったそうです。

 

先ほど書いたスワンキーもその1人。

彼女は誰にも頼らない生き方を選んだのに、

映画の中でファーンに頼み事をするシーンがあり

それがとてもしんどかったとインタビューで答えていました。

とてもリアルで、たくましくて、

切なくて、自由な彼ら。

そしてアメリカ各地を旅するファーンが見る

壮大な風景、圧倒的な迫力は、

紛れもない芸術です。

 

日本時間の4月26日(月)に発表される

アカデミー賞主要6部門にノミネートされていて、

オスカーに最も近いとも言われる映画ですが、

多分、20代の頃の私が観たら「ちょっと地味な作品だな」と

思ったかもしれません。

今、この作品を見終わった後、

しばらく席から立ち上がれなかったほど

心を動かされた私自身を考えると、

歳を重ねることはなかなかいいものだなとも思うのです。

各駅停車の旅

子供の頃に憧れていたものがあっても、

それが何か、どこにあるのかハッキリわからないまま

憧れの気持ちを持ち続けていることってありませんか。

そしてその憧れの気持ちが、

歳とともに記憶の彼方に行ってしまうことも。

 

北海道で暮らすようになって、子供の頃の私が

憧れていたもの、気になっていたものを思い出すことが増えました。

私、結構北海道が好きな子供だったんだ、と。

 

例えば、私より上の世代の方なら「あぁぁぁぁ〜」と同意してくださるであろう

ドラマ「北の国から」。

富良野という場所、キタキツネ、自然の素材で作られた手作りの家、

厳しい冬のシーンも幾度となく登場していたものの

ドラマに出てくる北国に憧れる気持ちがたくさんありました。

 

それから、白樺の木。

初めて白樺を知ったのは、

家族で新潟のペンションに泊まりに行った小学生の夏休み。

真っ白な幹、枝ぶりの美しさに、童話の挿絵のようなメルヘンチックな

美しさを感じたものです。

北海道に来てすぐ白樺が林立する風景を見て、

私が好きな木がこんなにもたくさんある!と感激しました。

 

まだまだありますが、前置きだけでお腹いっぱいになりそうなので

そろそろ本題に移ります。

 

そう、そんな私の憧れを再確認するような旅をしてきました。

JRの青春18きっぷを使っての、北海道・鈍行列車の旅です。

ひたすら電車に乗っている話が続きますが、

ローカル列車の旅気分をちょっとでも味わっていただけたら嬉しいです。

 

 

7:00 札幌駅発 滝川行き (JR函館本線)

 

出発日の3/26(金)の札幌は、道路の雪も溶けて

あとは除雪作業で積み重ねられた雪の山がどんどん小さくなるのを

待つばかり、という春を感じられる暖かさでしたが、

列車が進むにつれて、雪景色に逆戻り。

 

北海道ローカルニュースの天気予報で、

「それではこの時間の岩見沢です」と定点カメラで雪の様子が

映ることの多い、道央の豪雪地、岩見沢が近づいてきました。

札幌から1時間もかからないうちに春から冬へと季節が後退した雰囲気です。

 

岩見沢では停車時間が13分ありました。

この時間を利用して、飲み物を買いに行く!と

夫に席と荷物の確保を頼んで、ダッシュで改札へ。

18きっぷは1日利用で改札の出入りも自由なので

駅員さんにきっぷを見せて駅ナカのコンビニへ走り込みました!

 

岩見沢を出発するのは7時58分。

レジの前には長蛇の列。その列に私が加わったのが7時50分。

コンビニから電車まで走れば2分と計算して、

7時55分までにレジが終わらなければアウトだな・・・などと

考えていました。

でもそこは、さすがに朝のラッシュを捌き慣れている

セブンイレブンのお姉さん。

サクサクとレジ前の行列が短くなり、53分には私は改札に向かって

走り出していました。

心の中で「グッジョブ!セブン!」と叫びながら(笑)。

 

おかげで隣のホームにあった

ばんえい競馬の銅像を撮影するくらい余裕で電車に乗れました。

 

そんなこんなで、最初の乗り換え地の滝川に、無事到着。

 

滝川では待ち時間が1時間半ほどあって、

駅前をウロウロしたり、

駅の待合室(これが、テーブルと椅子もあり、広々していてとても優秀!)で

本を読んだりして過ごしました。

意外と退屈することもなく、次の電車の案内アナウンスが

聞こえてきました。

 

8:38 滝川発 富良野行き (JR根室線)

 

改札を抜けてホームに行くと「うわ、可愛い電車!」と

思わず声を上げてしまいました。

1両編成の電車はこんな感じ。

 

そして中もこんなレトロキュートな電車でした。

 

もちろん私の周りの乗客の皆さんも

カメラを取り出して電車と記念撮影などしておられました。

この辺りのローカル線っぽさが濃くなってきた頃から

乗り鉄さん、撮り鉄さんのような鉄道ファンの方々がちらほら。

同時に、めっちゃ地元の高校生!といったいでたちの

毎日この電車を利用している人たちとの混在っぷりも

面白い風景でした。

 

何駅か過ぎると地元の人たちもどんどん電車を降りてしまい

車内は数える程の乗客になっていました。

そこで夫がバックパックから取り出したのはワインボトル。

えーっとまだ午前中ですけどー!と笑いながら

私もカバンに忍ばせておいたプラスチックのカップを取り出します。

結局飲むんかーい!(笑)

 

美しい針葉樹林を眺めながらのワイン、最高でした。

 

この18きっぷの旅を計画し始めた頃から、

夫が何度も「ワインを持って〜」と言っていたので

「普段、ビールもウイスキーも焼酎も飲むのに、

18きっぷの話をするときのアルコールはいつもワインなのね」

と言ったんです。

「もちろんそうだよ!ワインは常温で美味しく飲めるでしょ?」

 

あぁ、なるほど納得。

では、赤ワインねと、事前に2本買っておきました。

惜しむらくは、北海道のワインでなく、チリワインだったこと(笑)。

 

 

私たちがワインを楽しんでいる間に

可愛い1両列車ちゃんは、次の終着駅へ近づいていきます。

富良野です。

 

富良野は、子供の頃の私が憧れていた場所。

だって蛍と純がゴローさんと暮らしていた場所だもの

(分からない人は「北の国から」で検索Please)。

 

ここでの停車時間は3時間少々。

まずは富良野の地元のお野菜などを売っているマルシェへ。

魅力的な食材一杯でしたが、さすがに大量購入はできず

山わさびを1パックと、ラベンダーの入浴剤だけお買い上げ。

 

あとは、地元食材を使ったご当地バーガーを食べたりして

のんびり過ごしました。

夏に来たら、きっとラベンダー畑まで足を伸ばしたのでしょうけれど

今回の旅は鈍行列車に乗ることが第一目的だったので、

電車の時間最優先で動きました。

 

14:19 富良野発 東鹿越行き (JR根室線)

 

次なる電車へ乗り込むためへ、富良野駅へ戻ります。

 

そしてワインをちびりちびりと楽しみながら

本を読んだり、車窓の景色を楽しんだり・・・。

 

もうすぐ降りる準備をしなきゃなぁと思い始めた頃、

電車が激しくクラクションを鳴らしました。

何?何?事故?

と慌てて窓の外を見ると・・・

 

 

はい、エゾシカ!

うまく写真に収められたのはこの子くらいで、

他にも何匹もいました。

 

そしてこの路線の終点は「東鹿越(ひがししかごえ)」。

 

あぁ、なんと分かりやすい地名だこと。

この東鹿越は、本当に地名の通り

帰りの電車も何度もクラクションを鳴らしていてました。

窓からはわらわらわら〜と山へ戻っていく鹿のご一行様が見えました。

それにしても、エゾシカは奈良公園の鹿より、ガタイがいい。。。

 

さて、この東鹿越から次は新得へ向かうのですが、

実は線路が途中で使えなくなってしまっているのです。

2016年の台風の被害で土砂が線路に流出し、

その後復旧されていません。

代わりに東鹿越〜新得間を結ぶ代行バスがあるのです。

なぜ線路の復旧がこんなに遅いの?と調べたところ、

このあたりの電車はいわゆる超赤字路線なんだそうです。

1日の利用者が片手で足りてしまうくらいの少なさで、

100円を稼ぐのにかかる経費が2000円以上かかってしまうのだとか。

 

そんな心痛む実情も知りながら、バスに乗り込みました。

 

15:13 東鹿越発 新得行き(JR根室線 代行バス)

 

 

このバスにも鉄道ファンと地元高校生が混在していましたが、

地元の高校生たちは、新得に行く手前の駅で降りて行きました。

 

この途中の駅たちが、もう本当に味わい深くて。

古き良きローカル線の駅の理想形みたいなんです!

中には高倉健さん主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地となった

幾寅駅(映画内では幌舞駅)もありました。

廃駅にはなっていないものの、

今は鉄道も止まらない駅。

ちょっと切ない気持ちになりながら、シャッターを切りました。

この駅に電車から降り立ってみたかったなぁ。

 

美しい森林の風景を眺めながらバスは走り、

バスの終着地点である新得駅へ。

 

穏やかなローカル駅という感じなのですが、

なかなか面白かった新得駅。

帰りの電車のスケジュールで、新得には4時間滞在することが

分かっていたので、新得散策は帰りにゆっくりとすることにしました。

 

16:49 新得発 釧路行き (JR根室線)

 

この辺りからは釧路までの直通列車が通っているのか!

JRの底力を見るような驚きもありました。

一瞬釧路まで行くことも考えたのですが

新得から釧路までは5時間乗りっぱなし。

夜9時過ぎに釧路についても、何もできない・・・。

下手すりゃ夜ご飯すら食べられない・・・。

ということで、今回の旅の終着駅は帯広にしました。

 

夕暮れの街を抜けて

17:45 帯広着

 

帯広では、名物豚丼を食べるだけだったのですが、

帯広も実は子供の頃に気になっていた地名でした。

というのも、私が所属していた奈良放送児童合唱団は

全国各地の児童合唱団、少年少女合唱団との交流演奏会を幾度となく

行ってきました。

その中に帯広からの合唱団もいたのです。

すごく遠いところから奈良まで来てくれたんだという思いと、

澄んだ歌声に、遠い北の大地への憧れの気持ちが強まったことを

今でもよく覚えています。

その帯広にようやくたどり着けました。

帯広の合唱仲間と一緒に歌ってから40年近い年月が経ったことになります。

 

そんな帯広のホテルの朝食ブッフェでは

ホタテのバター焼きを始め、

十勝地方の名物山芋、その名も「ネバリスター」を

使ったお料理のコーナーなどもありました。

ネバリスターのとろろ、きんぴら、漬物など、ちょっとずついただきました。

個人的には漬物が1推し。

 

食後のコーヒーも楽しみつつ、帯広を出発。

札幌への帰路につきました。

 

ね、ひたすら電車に乗っている話でしたよね。

最後まで読んでくださった方、素晴らしい。

ありがとうございます♡

 

途中の駅で見つけたこと、出会ったものなど

書きたいことはまだまだあるので、

また近いうちに旅レポの続きを書きますね。

ソウルフルワールド(Disney+で2020年12月25日からリリース)

最高気温がプラスにもならない日の朝、

カーテンを開けると、窓ガラスの結露が凍って

結晶が氷の花のようにガラスを飾る様子、

陽だまりでくっつきながら、まあるくなって眠る猫たち、

凍えるような寒さの外を眺めながら、暖かい室内で食べるアイスクリーム。

 

毎日の暮らしの中で、簡単に見過ごしてしまいそうな

小さな嬉しいことを、私たちはどこまで大切にしているでしょう。

 

「ソウルフルワールド」の主人公ジョーは、

ジャズピアニストになりたかった学校の先生。

いまひとつやる気のない生徒たちの楽団で教えています。

 

ある日、憧れのジャズクラブのプロのステージで演奏できる

チャンスを手に入れたジョーでしたが、

オーディションの直後にマンホールへ転落してしまいます。

 

ジョーが迷い込んだのは、

ソウル(魂)たちが暮らす世界。

 

ソウルたちが、生まれる前にどんな性格や興味を持つのか、

どんなところで輝くのかを決める場所でした。

ソウルたちが次々へ人間の世界へ羽ばたいていく中、

22番と呼ばれるソウルだけは、決して人間の世界へ行こうとせず

何の興味も得られないまま、

数100年もソウルたちの世界にとどまっていました。

 

そこに行き着いてしまったジョーは

憧れのステージに上がるために、何としても人間界に戻りたい。

そしてそんなジョーと出会った22番の冒険が描かれた作品です。

 

22番は、多くの人が心の何処かに抱えているであろう

ネガティブな感情の代表みたいな存在です。

自分に自信が持てない、

何が自分にとって楽しいのかわからない、

どうせ自分なんて何もないんだと思ってしまう・・・。

 

そんな経験ありませんか?

22番はあまりにもネガティブすぎて、

それを何とかしようとさらに拗らせてしまって

絡まった糸をほぐすにも、糸の先すら見えないような状態です。

 

ジョーには夢もあり、目標もあり、

22番のお手本みたいになるのかなと思いきや、

そんな単純な話でもありません。

 

憧れ続けていたことを、実際に手に入れると

あれ?この次はどうなるのかな?と

急に現実に引き戻されて

気持ちが急に温度を下げてしまったことってありませんか?

 

「で、次はどうするの?」と、夢の次の一歩に期待しても、

実は「ただこれをひたすら毎日繰り返すのだ」と気づいた瞬間

思っていたのと違うかもしれない・・・と気づいてしまうというのでしょうか。

 

私自身の経験も思い出しました。

メディアで喋る仕事に憧れて、ラジオの世界に入った直後のこと。

小学生の頃からやりたかった仕事につけた私は

この世の頂点のように喜びに満ち溢れていました。

でも、思っている以上に大変で責任の重い仕事を

毎日深夜までこなしているうちに

これが本当に私のやりたかったことなの?と思ったことがありました。

常に睡眠不足だし、常に不安だし、自信はないし・・・。

 

その頃、1人で録音番組の収録をしていた夜。

大好きな曲を流しながら、マイクのカフをあげて曲紹介をして

次の曲をつないで・・・、そんな作業をしているうちに

「あぁ、私こういうのをやりたかったんだ。やっぱり楽しい、

やっぱり好きだなぁ」と泣きそうになる瞬間を経験しました。

 

この感覚を忘れてしまいそうになる程

日常に追われていた自分の余裕のなさに気づいた瞬間でした。

 

ソウルフルワールドのジョーと22番の冒険は、

憧れの気持ちだけでは続けられない毎日の営みの中、

ついないがしろにしてしまいそうなことに

スポットライトを当てて、私たちに見せてくれます。

 

このスポットライトが当たっていることに気づけるだけの

人生経験をしている人には、本当に本当に大切な作品に

なってくれることだと思います。

映画の終盤、どんどんと心の琴線に触れられていき、

映画が終わってからも気持ちが揺さぶられ続けて、

終わってからも改めて涙がこみ上げて

なかなか止まらないような、しばらく

収集のつけられない感情に陥りました(良い意味で)。

 

そして(うちの娘もそうでしたが)、

まだこのスポットライトの当たる先の素晴らしさを

実感できない世代の人には、

これから何年か後、もう少し大人になった時に

改めて見て、気づかなかったことを感じ取ってほしい作品でした。

人の成長とともに、この作品との付き合い方も成長していく、

そんな映画と言えるとも思います。

 

まだまだ私たちは幸せになる方法がある。

映画の随所に流れる美しいジャズも、

ジョーと22番を助ける魅力的な脇役たちも、

幸せの大切な立役者です。

 

ピクサー最新作「ソウルフルワールド」

ディズニープラスで現在配信中です。

札幌での日々をようやく綴ります

沖縄から札幌への引っ越しが決まり、このブログでもお伝えして、

そこから放置すること4ヶ月・・・。

 

温かいコメントをくださった皆さん、

ブログを読んでくださった皆さん、

本当に本当に失礼しました。

 

8月の下旬に娘と共に札幌へ引っ越しました。

新千歳空港に着くとこんな雪国っぽいサインがお出迎えしてくれて、真夏にも関わらず北へ来た(ダジャレではない)のだなぁと実感。

 

沖縄に置いてきた臆病者のプディ子はんのことを

心配していたのですが、

9月には迎えに行くからねーと約束して

まずはお家の片付けに専念。

 

引っ越し当日の夕方、窓から見えた虹。実は沖縄に引っ越した日にも虹が見えたのですが、札幌でも同じく虹に迎えてもらえて、すごく嬉しかったことを覚えています。

 

今回、就職先であるAmazonからは、

家族の引っ越しの費用も出してもらえるという条件だったのですが

夫は当分沖縄に暮らすこともあり、

会社からの引っ越し費用は夫が札幌に来る時に

大型家具を運搬する際に使わせてもらおうと思い、

娘と私が当面必要なものを段ボール25箱くらいにまとめ

沖縄の郵便局からひたすら札幌に送りました。

あと、必要な家具なども私と娘の引っ越しに合わせて

届くように手配しました。

 

しかーし。

注文した家具が私と娘の到着よりも早く着いてしまい

「居住者不在」で返送されてしまったり、

来るはずの荷物が来るべき日に届かなかったり・・・。

引っ越し初日、私と娘は寝具が届かず、

段ボールを何枚も重ねた上で寝ました・・・。

(思ったよりは寝られたけど、翌日体が痛かった)

 

 

ちなみに9月に沖縄に迎えにいったプディ子はんは

ふてくされながらも私との再会を喜んでくれました。

札幌に着いてからは

少しだけ猫トイレやクローゼットに引きこもったものの

あとはウロウロと新しい家を探検し、

夜は私にくっついて眠り、

意外と早く慣れてくれました。

 

9月とはいえ、夜になると気温がきっちり下がるので

猫がくっついて寝ていても暑くないのが良かったです。

新しいお家でもくつろぎ始めたプディ子はん。彼女なりにゆっくり慣れてくれればいいと思っていましたが、予想以上の適応力を発揮してくれました。グッジョブ。

 

 

とにかく引っ越しして最初の数日間は

ひたすら家具を組み立て、段ボールの荷物を片付け、

なんとか暮らせる状態には持っていきました。

当時の私の腰痛はハンパなく、コルセットが手放せない状態。

その合間に娘の転校手続きなども済ませて、

気づけば私の入社日。。。

 

方向音痴の私は、30分余裕を持って家を出たのですが、

会社に着いたのは集合時間の10分前。

しかもビルの1階に迎えに会社の人が迎えに来てくれる

ことになっていたらしいのですが、

私は1人でエレベーターに乗って会社の受付まで行き、

そこで待っていたという別行動!!

 

一緒に入社した他のメンバーが揃ってエレベーターから上がってきて

「あれ?下で集合だったんですか?」と

すっとぼけた声を出したのが、

私と、私の上司にあたるマネージャーとの最初の会話でした。

 

 

初日は社内でオリエンテーション的な時間や

支給されるパソコンのセッティングやらに忙殺されました。

その途中で、マネージャーが

「明日から自宅で仕事してください」と一言。

 

え?右も左も上も下も分からないというのに、

明日から在宅勤務ですとーーー??

最初の数週間は研修で、それは社内で行われると思っていたため

張り切って1ヶ月分の通勤定期買っちゃったやーーん。

 

などなど悲喜こもごもありましたが、

半ば強制的にオフィスにいる人数を減らしている中

新入社員(しかも同期でぶっちぎり最年長)の私が

従わないわけにいきません。

 

不安しかないまま、支給されたパソコンを持って退社しました。

同期にもう1人、ママさんワーカーがいらして

(とはいえ、彼女は私より10歳近く年下)

2人で「不安しかないよね・・・」って言いながら

駅まで歩いたものです。

コルセットを巻いた腰痛がシクシク辛かったぜ・・・(笑)

 

 

翌日から研修が始まりました。

色々な人に「マミコさんはAmazonで何の仕事をしているの?」

と聞かれるのですが、

簡単に言うと、Amazonで販売をする、いわゆるセラーさん側に

関わるお仕事です。

お買い物をする人が、安心していい環境で楽しんでもらうためにも

販売する側のサポートやコンプライアンスの遵守は絶対必要で

毎日なかなかの緊張感を強いられる瞬間があります。

 

ラジオの世界で四半世紀ほど仕事をしてきた私にとっては

全くの未知なるお仕事。

研修中、そして実際の業務についてからも、

私本当にこの仕事やっていけるのか?と何度も思いました。

 

でも、オンラインでの研修にも関わらず

非常にアットホームで質問しやすい雰囲気があったり、

繰り返し自習できるシステムがあったりしたおかげで

なんとか業務に携われる状況に成長させていただきました。

 

実際に仕事をして思うのは、

若い会社であり、どんどん新しいチャレンジをする社会なので、

システムの変更や見直しもすごい頻度で行われます。

それこそ週単位で業務上のルールが変わったりもします。

その変化についていくこと、変化を理解して、

出来るだけ疑問点を早く解消することの大切さも

学びました。

 

家族との会話や、ラジオでのコングさんとのやり取りで

英語を使う機会はたくさんあったものの、

ビジネス用語のボキャブラリーが貧困だった私は

英語の壁にも苦労しました。

毎日知らない英語をノートに書き留めたり、

スマホの英語辞書アプリを常に開いた状態で自習をしたり。

最初の1ヶ月くらいは仕事に必要な文書を読むだけでも

途中で挫折しそうになったりしていました。

老眼加速中の目にも辛かった・・・。

 

それでも、少しずつ必要な英単語を覚えて、使えるようになり、

世界規模で送られてくる業務用メールの膨大な英語も

業務の合間に読んで対応できるようになってきました。

 

あと、長年マックユーザーだった私は

会社支給のWindowsの操作にも慣れなくて、

それにも泣かされました。

Outlookの設定が分からへーん!とか

右クリックの必要なタイミングが分からへーん!とか

そんなのしょっちゅうでした。

 

でも、とにかく必死でついて行くしかなく、

チーム最年長なので足を引っ張ってはいけないと

始業時は誰よりも早くログインして自習したり、

業務が終わってから夜もう1度復習したり、

翌日のやることを見直したり、

私ができることは時間をかけて能力を上げることしかありませんでした。

 

その甲斐あって、先月会社から

「Best new comer」の1人として賞をいただいたことは

本当に嬉しいことでした。

(もちろん他の賞もありますし、受賞したのは私だけではないですよー)

アラフィフの私でもまだ成長できるんだ!

って思えたのが何より嬉しかったです。

 

 

とはいえ、業務の最先端の難しいことを、

私が先頭切って理解して伝えて行くことは、控えめにいっても

ちっともできていません。

でも、私はマネージャーの業務がいっぱいいっぱいな時に

「お手伝いしましょうか」と声をかけたり、

チームで欠けていることに気付いた時に

「こういう機会を作ってみませんか?」と提案したりといった

隙間を埋めて行く役割が似合っているようです。

 

実は、入社翌日から在宅勤務が続いているチームで仕事をする中

圧倒的にコミュニケーションの機会が少なく、

オンラインでのコミュニケーションではどうしても

業務にまつわる堅苦しい話に終始してしまう環境を

すごく不自然に感じていました。

ある日思い切って「私たちには雑談が圧倒的に足りない!!」

「だから雑談のためだけの時間を作りたいです!」と

上司に勝手に企画書を送りつけました(笑)

 

Amazonに入社して、この会社のいいところだなと思う点の1つに

やりたいことがあれば、どんどん提案してねと言う文化が

浸透していることがあります。

ひらめきや、ちょっとした思いつきで、

こうしてみようか、ああしてみようか、と言う思いつきを

すぐ口にしたがる私にとっては本当にありがたい。

そしてそれをきちんと評価してくれる社風に乗っかりました。

もちろん、アカン提案は「うーん、これはちょっと難しいかな」

とやんわり却下されますが。

 

現在、同じチーム内のメンバーたちと雑談のためのグループを作り

みんなが好き勝手に喋れる時間を定期的に開催しています。

まだまだ足りないなぁと思うこともいっぱいありますし、

そんなことより本来の業務のスキルアップを図りなはれ、

という思いもあるのですが、

私にできることをやっていけばいい、と半ば開き直りのようであり

半ば私らしくいるための立ち位置のようなものを

見つけた気分にもなりつつあります。

 

まだ入社4ヶ月の私ですが、1つ1つ壁を超えて

きっとこれからもどんどんやってくる壁を前に

凹んだりもするのでしょうが、

まぁ何とか攻略してみようと、手を替え品を替え

やって行くことになるのでしょう。

 

私がラジオの世界で身につけた最大といってもいいスキルは

反省はするけど、長く落ち込まない、ということです。

ラジオの世界に入ったばかりの頃、

生放送で失敗をし(それほど大きな失敗でなくても)、

1週間近く落ち込んでいたことがありました。

当時週に1回の生放送を担当していたので、

「落ち込んだまま次のオンエアが来てしまう!これはダメだ」

と必死になって気持ちを切り替えたことを覚えています。

 

週に4日の生放送を担当し、週末はイベントで司会をし、

というような仕事になっていくと、

そんなに長いこと落ち込んでいられません。

落ち込んで得をする人は誰もいません。

私は仕事の時は「いつもご機嫌さん」でいることを

モットーにしていますので、なおさらです。

そこで、失敗した後は、とことん反省をして、

なぜ失敗が起こったのか、どうすれば起こらなかったのか、

次に同じ状況になった時はどう対応するのかなど

自己分析だけはしっかり行って、

それが終わったら完全にピリオドを打つ!

 

それでも気分が晴れない時は、

好きな映画を見るとか、お酒を飲むとか、漫画を読むとか、

何でもいいから簡単で楽しいことをします。

それで終わり!

 

こういうスキルが身についたことは、今の仕事にもとても

役に立っています。

新しい仕事に就いてからも失敗は何度もしました。

失敗の報告書の書き方も上手くなりました。

そこを自慢するなって感じですが。

 

私の若い同期の中には

失敗することによって、以前から練っていた

素晴らしい提案があるにも関わらず

「あんな失敗した自分が、こんな提案をするのは良くない」

と口を閉ざしてしまう人もいます。

 

そんなんもったいなーーーい!!

と思うのです。

失敗は失敗。終わったことは取り戻せない。

そこから学んでいくしかない。

だからと言って、もっと環境を良くするための提案や

仕事に役立ちそうなアイデアを封印するなんて

そんな罰を自らに与える必要はないと思うのです。

 

 

こんな風に思えるようになったのは

私が歳を重ねたせいでしょう。

私も彼らくらいの歳の頃には、もっと別の考えをしていました。

 

だからチーム最年長、おばちゃんパワーを発揮して、

「もっとみんなどんどん声に出していこう!!」と

いう雰囲気を作って行くことは

私だからできる役割だと思います。

「色々失敗しているマミコさんも平気でやっているんだから

私も、僕もやっていいのだ」と思ってもらえれば

そんなに嬉しいことはありません。

 

と、仕事にも少しずつ慣れてきて、

どんどん面白くなってきたところで、

夫も今月頭に、もう1匹のニャンコの

イジーとともに札幌に引っ越ししてきました!

やっぱり2匹揃うと、愛おしさ10倍。全然違う性格だけど、それなりにうまくやっています。可愛いコンビ。

 

現在夫は沖縄の職場の有給消化中で、

来月からは札幌の新しい職場での仕事が始まります。

家族3人、ニャンズ2匹、雪に囲まれた

真っ白の街で、時々喧嘩もしますが

基本笑って暮らしています。

 

 

札幌はとても美しく、

暮らしぶりは合理的で便利。

優しい人が多くて、気持ちよい日々です。

 

ようやくブログに手をつけられるくらいの余裕が

取り戻せました。

次の更新がいつになるかはわかりませんが、

こちらでも時々綴っていけたらと思っています。

 

長い文章、読んでくださってありがとうございました。

 

2020年12月19日(土)雪の降る札幌より

新たなチャレンジ

皆様にお知らせです。

 

新型コロナウィルスのために、生活が変わった方も少なくないと思います。

私の生活も変わりました。

沖縄に移住した去年の10月時点では、ほぼ毎月1回か2回は

関西でイベントの司会などの仕事が決まっていました。

このペースで関西と沖縄を行ったり来たりしながら

2拠点生活をしていけたらいいなと思っていました。

 

しかし、残念ながら今年2月の後半以降、

予定されていた全てのお仕事がキャンセル、または延期となってしまいました。

 

沖縄でも海外から移住してきた子供たちが

なかなか日本の学校に馴染めない現実を知り、

そういう子供たちが集まれるフリースクールのようなものを作ろうと、

外国人ママさん達と計画をしていました。

しかし、子供たちが集まる場所を増やすことはリスクがあるということで、

この計画も頓挫してしまいました。

つまり、私がやりたかったことが

どんどんできない状況になってしまったのです。

 

 

そんな時、たまたま夫がある会社の求人広告を見つけてきました。

20年以上フリーランスで働いてきた私ですので、

会社勤めなんてできるのか?と半信半疑でしたが、

ものは試しと軽い気持ちで履歴書を送ってみました。

 

2ヶ月半ほどかけてオンラインでの筆記試験や複数回の面接などを受け、

どういうわけか内定を頂いてしまいました。

勤め先はアマゾン・ジャパンです。

 

詳しい業務内容は差し控えますが、

アマゾンに出品するお店のサポート的なお仕事です。

全く畑違いのお仕事で内定を得られた理由は、

カスタマーをまず中心に考えるというアマゾンの基本理念に、

私が長年ラジオのお仕事の中でモットーにしてきた

「リスナーさんの方を向いて仕事する」

という考えが合致したことしか思い当たりません。

つまり、ラジオのお仕事をやってきた中で

大切なことに気づかせてくれたリスナーさんたちのおかげなのです。

 

そして、勤務先なのですが、これが笑ってしまうほど極端でして。

 

なんと、札幌勤務になりました!!

沖縄県から北海道。日本の南端から北端への大移動です。

当面、私は娘と2人で札幌で暮らします。

いつになるか分かりませんが、

いずれ夫も札幌へ移るつもりで考えてくれています。

 

人事の方に確認した限りでは、

司会業やナレーターなどの声を使ったお仕事を副業とすることは

認めてもらえるとのこと。

延期という状態でスケジュールを抑えてくださっている

イベント関係の司会のお仕事などは、

変わらずやらせていただきます。

 

8月の20日に札幌に引っ越します。

そして8月後半からは、

20年以上振りの会社員としてのお仕事をスタートさせます。

 

いやぁ、人生何があるか分かりませんね。

1年前の今頃はラジオのお仕事を辞めて、

沖縄に行くことが決まっていました。

まさか世界がこんな風にウィルスの脅威にさらされるようになるとは

想像もできませんでした。

でも、状況が変わったのですから、そこに適応していかねばなりません。

 

沖縄に来たことは、娘のためでもあり、

とても必要なことだったと思っています。

沖縄に暮らしたことで、娘には世界各地の友達との出会いがあり、

アメリカと日本のミックスという彼女のアイデンティティの土台が

できたように感じます。

自分のバックグラウンドに誇りを持ち、

自分の得意なことを伸ばすことの大切さを、

娘は沖縄で学んだように感じています。

 

そして私自身も、長年暮らしていた奈良を離れて沖縄へ来て、

全く見ず知らずの土地でもなんとか暮らしていけるという

自信を得ることができました。

だから「沖縄から札幌へ移住」と聞くと

ちょっと仰々しく感じてしまうかもしれませんが、

私は意外と軽やかに引越しの準備を進めています。

 

沖縄の美しい海、大きな夕日、

そしてこの土地で出会った友達など、

さよならするのが寂しいことは色々ありますが、

やりたかったことを諦めてここで悶々と暮らすよりは、

新たな土地での新たなチャレンジに、今は魅力を感じています。

 

 

本来ならば、お世話になった皆様、

仲良くしてくださっている方々に

直接おひとりずつお伝えするのが筋ではありますが、

内定が出てから移住までに

私が希望している期間より3週間ほど早く札幌に来て欲しいという

アマゾン側の都合により、バタバタとしております。

このような形でお伝えする無礼をお許しいただければ幸いです。

 

 

個人的には、私の食べ物の好みに合っているのは

日本では北海道がナンバーワンだと思っておりますので、

非常に楽しみにしております(食べ過ぎ注意!笑)。

 

北海道の皆様、どうぞよろしくお願いします。

 

まさか40代の後半になって、

トロピカルな気候も雪国の気候も体験できるとは思っておりませんでした。

沖縄で突然降り出す土砂降りのスコールに驚いたり、

何度見ても「キレー」と声を出してしまうほどの美しい海の

すぐそばに暮らしたりしたことは、一生の思い出です。

 

そしてまた、新たな魅力を、新しい土地で見つけることを

ワクワクしています。

 

自分の人生ながら、おもろいなぁとニヤニヤしております。

きっとおばあちゃんになった時(その時私はどこにいるんでしょう?)、

人生の思い出話のネタは尽きないなと自負しております。

 

 

まだまだこれから!ワクワクする方向へ歩いていきます。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

 

小谷真美子

沖縄の自然に励まされる日々

いよいよゴールデンウィークです。

これまでに経験したことのない、不思議なゴールデンウィーク。

 

私たちはどうなってしまうのだろうという不安、

いつ大切な人に会いに行けるのだろうという不安、

これからの暮らしをどう作っていけばいいのかという不安・・・

 

複雑な感情を抱えて過ごしている方が多いと思います。

もちろん私もその1人。

 

これまでなら、

ウェーイ!ゴールデンウィーク!とばかりに

どこへ遊びに行こうか、誰と会おうか、

とワクワク迎えていた日々が、

家でどんな風に過ごそうかばかり考える日々になっています。

 

ラジオでおしゃべりしていた頃は、

ゴールデンウィークのお出かけ情報を伝えたり、

音楽イベントをご紹介したり、

スペシャルプログラムを担当したり、

このお休みをいかに楽しいものにできるかという

情報ばかり探して、

お届けしていたように思います。

 

 

綺麗事を言うつもりはなくて、

心の中では

「あーーー、思い切り好きな場所に出かけて遊びたい!!」と

叫んでいる私がいます。

 

ただ、この限られた暮らしの中でも

ものすごくエネルギーをくれる存在に気づけたことも事実です。

 

どうしても運動不足になりがちなので、

夕方、人の少ない道を選んでひたすら歩くということを

ちょくちょく行っています。

 

そこで出会う風景は、命そのもの。

 

沖縄に暮らすようになって気づいたのは

自然の圧倒的な生命力の強さでした。

海が美しいのは言わずもがななのですが、

暮らしのすぐ近くにある植物たちからも

とてもたくましさを感じました。

 

歩きながら、時々写真を撮っています。

ゴールデンウィークにお出かけが出来ない方に

ちょっとだけ、沖縄の自然をおすそ分けしますね。

 

ちょっと前に買ったばかりの白いスニーカーで出発!

 

何でもないお花や植物たちばかりですが、

一生懸命生きている姿がとても強くて

励まされました。

おまけ。

気持ちを温めるお家での過ごし方

沖縄への移住を決めた後、心友に言われました。

「絶対、リスナーさんやこれまでお仕事してきた人が、真美子さんどうしているかなと思った時に、ちゃんと真美子さんを探せる場所をネット上に作った方がいいよ。どんな人もアクセスできる真美子さんのサイトを作っておけば、そこに行けば真美子さんの近況が分かるようにしてあげて」。

 

正直、無茶苦茶忙しい時でした。

引越しの準備に、お世話になった方々との送別会がほぼ毎日。

おまけにラジオのレギュラーを辞めてから、沖縄へ引っ越すまでのおよそ3週間の間にも、イベント司会のお仕事をいくつも入れていただいていました。

 

その間にウェブサイトを作って、ちゃんと動かして行くなんて、無理〜。

 

と思いましたが、彼女のアドバイスは彼女の経験に基づいた、説得力あるものでした。

だからこの「コタニマミコドットコム」を沖縄に引っ越す前にしっかりと動かしておこうと決めて、なんとか間に合わせました。

 

最近、このサイトもそうですし、Facebookも含めて、当時のリスナーさんから「真美子さん、沖縄で元気にしているか気になって」とメッセージやコメントをいただくことが増えています。

 

思い出してくれて、本当に本当にありがたいです。

サイトを作って良かったと、改めて思っています。

友よ、素晴らしいアドバイスをありがとう♡

 

人と人とが直接会いにくくなってしまった今、こうして声をかけてもらえることはすごく心が温まるのだなと実感しています。そして、心温めてもらった私は、今度はそれをまた次に受け渡していきたいなとも思いました。

 

今、できることって限られているかもしれませんが、あの人どうしているかな、あの人元気かなと思ったら、メッセージを送ることくらいはできますよね。

また今度連絡取ってみよう、ではなくて、「今でしょ!」なんですよね。

 

最近は、実家の両親や、東京に暮らす兄一家に、小さな小包を送りました。沖縄のお土産を詰め込んだ箱です。

沖縄のアグー豚のカレーレトルトや、沖縄限定のシークワーサーなどのフェイスパック、そのほか、海ぶどうにマンゴージャムなど色々詰めています

 

本当は、両親と兄一家がゴールデンウィークに沖縄に遊びにきてくれることになっていました。私の父の80歳のお誕生日祝い(誕生日はずっと前に過ぎているのですが)も兼ねて、みんなで集まろうと、随分前から企画していました。女子大生になった姪っ子2人に久しぶりに会えるのも、すごく楽しみだったのにな。。。

 

それも全部キャンセルになってしまったので、せめて沖縄からのプレゼントだけでも届けようと思ったのです。自由に旅行には行けないけど、ご当地プレゼントって、ほんのちょっぴりでも日々の刺激になりますよね。

 

誰かに手書きの手紙を送ってみたり、近況報告の長いメールを送ってみたり。

いつもよりお家での時間が増えた今、そんな過ごし方も幸せだなと思うのです。