各駅停車の旅

子供の頃に憧れていたものがあっても、

それが何か、どこにあるのかハッキリわからないまま

憧れの気持ちを持ち続けていることってありませんか。

そしてその憧れの気持ちが、

歳とともに記憶の彼方に行ってしまうことも。

 

北海道で暮らすようになって、子供の頃の私が

憧れていたもの、気になっていたものを思い出すことが増えました。

私、結構北海道が好きな子供だったんだ、と。

 

例えば、私より上の世代の方なら「あぁぁぁぁ〜」と同意してくださるであろう

ドラマ「北の国から」。

富良野という場所、キタキツネ、自然の素材で作られた手作りの家、

厳しい冬のシーンも幾度となく登場していたものの

ドラマに出てくる北国に憧れる気持ちがたくさんありました。

 

それから、白樺の木。

初めて白樺を知ったのは、

家族で新潟のペンションに泊まりに行った小学生の夏休み。

真っ白な幹、枝ぶりの美しさに、童話の挿絵のようなメルヘンチックな

美しさを感じたものです。

北海道に来てすぐ白樺が林立する風景を見て、

私が好きな木がこんなにもたくさんある!と感激しました。

 

まだまだありますが、前置きだけでお腹いっぱいになりそうなので

そろそろ本題に移ります。

 

そう、そんな私の憧れを再確認するような旅をしてきました。

JRの青春18きっぷを使っての、北海道・鈍行列車の旅です。

ひたすら電車に乗っている話が続きますが、

ローカル列車の旅気分をちょっとでも味わっていただけたら嬉しいです。

 

 

7:00 札幌駅発 滝川行き (JR函館本線)

 

出発日の3/26(金)の札幌は、道路の雪も溶けて

あとは除雪作業で積み重ねられた雪の山がどんどん小さくなるのを

待つばかり、という春を感じられる暖かさでしたが、

列車が進むにつれて、雪景色に逆戻り。

 

北海道ローカルニュースの天気予報で、

「それではこの時間の岩見沢です」と定点カメラで雪の様子が

映ることの多い、道央の豪雪地、岩見沢が近づいてきました。

札幌から1時間もかからないうちに春から冬へと季節が後退した雰囲気です。

 

岩見沢では停車時間が13分ありました。

この時間を利用して、飲み物を買いに行く!と

夫に席と荷物の確保を頼んで、ダッシュで改札へ。

18きっぷは1日利用で改札の出入りも自由なので

駅員さんにきっぷを見せて駅ナカのコンビニへ走り込みました!

 

岩見沢を出発するのは7時58分。

レジの前には長蛇の列。その列に私が加わったのが7時50分。

コンビニから電車まで走れば2分と計算して、

7時55分までにレジが終わらなければアウトだな・・・などと

考えていました。

でもそこは、さすがに朝のラッシュを捌き慣れている

セブンイレブンのお姉さん。

サクサクとレジ前の行列が短くなり、53分には私は改札に向かって

走り出していました。

心の中で「グッジョブ!セブン!」と叫びながら(笑)。

 

おかげで隣のホームにあった

ばんえい競馬の銅像を撮影するくらい余裕で電車に乗れました。

 

そんなこんなで、最初の乗り換え地の滝川に、無事到着。

 

滝川では待ち時間が1時間半ほどあって、

駅前をウロウロしたり、

駅の待合室(これが、テーブルと椅子もあり、広々していてとても優秀!)で

本を読んだりして過ごしました。

意外と退屈することもなく、次の電車の案内アナウンスが

聞こえてきました。

 

8:38 滝川発 富良野行き (JR根室線)

 

改札を抜けてホームに行くと「うわ、可愛い電車!」と

思わず声を上げてしまいました。

1両編成の電車はこんな感じ。

 

そして中もこんなレトロキュートな電車でした。

 

もちろん私の周りの乗客の皆さんも

カメラを取り出して電車と記念撮影などしておられました。

この辺りのローカル線っぽさが濃くなってきた頃から

乗り鉄さん、撮り鉄さんのような鉄道ファンの方々がちらほら。

同時に、めっちゃ地元の高校生!といったいでたちの

毎日この電車を利用している人たちとの混在っぷりも

面白い風景でした。

 

何駅か過ぎると地元の人たちもどんどん電車を降りてしまい

車内は数える程の乗客になっていました。

そこで夫がバックパックから取り出したのはワインボトル。

えーっとまだ午前中ですけどー!と笑いながら

私もカバンに忍ばせておいたプラスチックのカップを取り出します。

結局飲むんかーい!(笑)

 

美しい針葉樹林を眺めながらのワイン、最高でした。

 

この18きっぷの旅を計画し始めた頃から、

夫が何度も「ワインを持って〜」と言っていたので

「普段、ビールもウイスキーも焼酎も飲むのに、

18きっぷの話をするときのアルコールはいつもワインなのね」

と言ったんです。

「もちろんそうだよ!ワインは常温で美味しく飲めるでしょ?」

 

あぁ、なるほど納得。

では、赤ワインねと、事前に2本買っておきました。

惜しむらくは、北海道のワインでなく、チリワインだったこと(笑)。

 

 

私たちがワインを楽しんでいる間に

可愛い1両列車ちゃんは、次の終着駅へ近づいていきます。

富良野です。

 

富良野は、子供の頃の私が憧れていた場所。

だって蛍と純がゴローさんと暮らしていた場所だもの

(分からない人は「北の国から」で検索Please)。

 

ここでの停車時間は3時間少々。

まずは富良野の地元のお野菜などを売っているマルシェへ。

魅力的な食材一杯でしたが、さすがに大量購入はできず

山わさびを1パックと、ラベンダーの入浴剤だけお買い上げ。

 

あとは、地元食材を使ったご当地バーガーを食べたりして

のんびり過ごしました。

夏に来たら、きっとラベンダー畑まで足を伸ばしたのでしょうけれど

今回の旅は鈍行列車に乗ることが第一目的だったので、

電車の時間最優先で動きました。

 

14:19 富良野発 東鹿越行き (JR根室線)

 

次なる電車へ乗り込むためへ、富良野駅へ戻ります。

 

そしてワインをちびりちびりと楽しみながら

本を読んだり、車窓の景色を楽しんだり・・・。

 

もうすぐ降りる準備をしなきゃなぁと思い始めた頃、

電車が激しくクラクションを鳴らしました。

何?何?事故?

と慌てて窓の外を見ると・・・

 

 

はい、エゾシカ!

うまく写真に収められたのはこの子くらいで、

他にも何匹もいました。

 

そしてこの路線の終点は「東鹿越(ひがししかごえ)」。

 

あぁ、なんと分かりやすい地名だこと。

この東鹿越は、本当に地名の通り

帰りの電車も何度もクラクションを鳴らしていてました。

窓からはわらわらわら〜と山へ戻っていく鹿のご一行様が見えました。

それにしても、エゾシカは奈良公園の鹿より、ガタイがいい。。。

 

さて、この東鹿越から次は新得へ向かうのですが、

実は線路が途中で使えなくなってしまっているのです。

2016年の台風の被害で土砂が線路に流出し、

その後復旧されていません。

代わりに東鹿越〜新得間を結ぶ代行バスがあるのです。

なぜ線路の復旧がこんなに遅いの?と調べたところ、

このあたりの電車はいわゆる超赤字路線なんだそうです。

1日の利用者が片手で足りてしまうくらいの少なさで、

100円を稼ぐのにかかる経費が2000円以上かかってしまうのだとか。

 

そんな心痛む実情も知りながら、バスに乗り込みました。

 

15:13 東鹿越発 新得行き(JR根室線 代行バス)

 

 

このバスにも鉄道ファンと地元高校生が混在していましたが、

地元の高校生たちは、新得に行く手前の駅で降りて行きました。

 

この途中の駅たちが、もう本当に味わい深くて。

古き良きローカル線の駅の理想形みたいなんです!

中には高倉健さん主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地となった

幾寅駅(映画内では幌舞駅)もありました。

廃駅にはなっていないものの、

今は鉄道も止まらない駅。

ちょっと切ない気持ちになりながら、シャッターを切りました。

この駅に電車から降り立ってみたかったなぁ。

 

美しい森林の風景を眺めながらバスは走り、

バスの終着地点である新得駅へ。

 

穏やかなローカル駅という感じなのですが、

なかなか面白かった新得駅。

帰りの電車のスケジュールで、新得には4時間滞在することが

分かっていたので、新得散策は帰りにゆっくりとすることにしました。

 

16:49 新得発 釧路行き (JR根室線)

 

この辺りからは釧路までの直通列車が通っているのか!

JRの底力を見るような驚きもありました。

一瞬釧路まで行くことも考えたのですが

新得から釧路までは5時間乗りっぱなし。

夜9時過ぎに釧路についても、何もできない・・・。

下手すりゃ夜ご飯すら食べられない・・・。

ということで、今回の旅の終着駅は帯広にしました。

 

夕暮れの街を抜けて

17:45 帯広着

 

帯広では、名物豚丼を食べるだけだったのですが、

帯広も実は子供の頃に気になっていた地名でした。

というのも、私が所属していた奈良放送児童合唱団は

全国各地の児童合唱団、少年少女合唱団との交流演奏会を幾度となく

行ってきました。

その中に帯広からの合唱団もいたのです。

すごく遠いところから奈良まで来てくれたんだという思いと、

澄んだ歌声に、遠い北の大地への憧れの気持ちが強まったことを

今でもよく覚えています。

その帯広にようやくたどり着けました。

帯広の合唱仲間と一緒に歌ってから40年近い年月が経ったことになります。

 

そんな帯広のホテルの朝食ブッフェでは

ホタテのバター焼きを始め、

十勝地方の名物山芋、その名も「ネバリスター」を

使ったお料理のコーナーなどもありました。

ネバリスターのとろろ、きんぴら、漬物など、ちょっとずついただきました。

個人的には漬物が1推し。

 

食後のコーヒーも楽しみつつ、帯広を出発。

札幌への帰路につきました。

 

ね、ひたすら電車に乗っている話でしたよね。

最後まで読んでくださった方、素晴らしい。

ありがとうございます♡

 

途中の駅で見つけたこと、出会ったものなど

書きたいことはまだまだあるので、

また近いうちに旅レポの続きを書きますね。

“各駅停車の旅” への6件の返信

  1. 素敵な旅でしたね、

    真美子さん、こんにちは。西村と申します。娘が関学のなんちゃってジャガーです。

    鹿も、ホタテも、もちろん赤ワインも、素敵でした。乗り鉄さんも撮り鉄さんも目に浮かびました。
    挿絵の如く写真も綺麗で紫色の可愛い電車は驚きでした。

    お元気ですっかり北海道を楽しんでおられる、コングさんも笑ってはりそうですね☺️

    何処にいても美味しいものに出会える人、奈良と北海道、それぞれの美しい出会いを披露してくださる方、真美子さんは強いですね。

    また、次のご旅行が気になります。
    私も楽しめました、ありがとうございました。

    1. 西村さん、コメントありがとうございます!
      ひたすら電車に乗って北海道の景色を楽しむ旅をしてみたいと思っていたので
      一緒に楽しんでいただけて嬉しいです。
      どんな場所に行っても、素敵なことを見つける(あ、あと美味しいものを見つける)力だけは
      この数年で鍛えられたかもしれません(笑)
      コングさんもまた新しい時間帯できっと楽しませてくれますね♪

  2. ほたるぅ。田中邦衛さんのお顔と、さだまさしさんの歌声をバックに読ませていただきました。確かに、あのドラマを見て北海道に行きたい!!と、思ったもんです!一度しか行ったが行った事がありません。
    青春18切符。これを使って旅することが私の憧れです!!(≧▽≦)
    私も鉄道が好き(と、言っても阪急電車と国鉄時代の鉄道)なので興奮気味です(笑)あの、ディーゼル車の轟音が好きなんです(笑)
    旅のお供はワイン!確かに常温で飲めますもんね!φ(..)メモメモ
    北海道ワインではなくチリ産φ(..)メモメモ(笑)私もチリワインが一番、舌に合ってると思ってます。
    時間の経過と共に少しドキドキヒヤヒヤしながら真美子さんと旦那様と鉄道旅を楽しませていただきました。
    あぁ、私も嫁と行きたいなぁ(;’∀’)

    1. イメージ通りのBGMで読んでいただけて光栄です!
      北海道にも美味しいワインがいっぱいあるのです。しかも道民限定ワインというような
      北海道でしか出回っていないものもたくさん。少しずつそんなワインも楽しみつつ、
      チリとか南アフリカとか、色々な産地のワインも味わっています。
      って、旅の話のつもりだったのに、ワインの話になっちゃった!
      いつか奥様とゆっくり18きっぷの旅を楽しめますように☆

  3. 真美子さん、こんにちわ!
    北海道を鈍行で満喫されている様子、読んでいる私も旅行している気分になりましたー(^ ^)
    旅行するのが大変なこのご時世、お洒落で楽しい文とお写真、本当にありがとうございます!
    4月から高校生の息子が鉄ちゃんなもので、紫水号の写真に食いついて(笑)北海道の路線図を見ながら読んでました。
    いつか一人で青春18きっぷで憧れの北海道を旅するぞー、と一つ人生の目標ができたようです。
    北海道のお話、楽しみにしてます!

    ※紹介されてたソウルフルワールド、見ました
     ジョーの気持ちが痛いほど分かる、未だに心に刺さって抜けない
     紹介ありがとうございました

    1. もんりんさん、息子さんにも写真見せてくださったんですね。ありがとうございます!
      鉄道好きな方が食いつく紫水号ですが、地元の人は本当に普段の「足」代わりに
      使っておられる様子も含めて、旅って色々発見があるなぁと思いました。
      鉄道にはあまり詳しくない私ですらめちゃめちゃ楽しかったので、
      息子さんにはいつか目標を達成して、素敵な思い出いっぱい作って欲しいです。

      ソウルフルワールドもご覧になったんですね。
      ジョーの気持ち、大人にしか分からないかもしれませんね。
      でも長く生きていけばいくほど、世界の美しいもの、素敵なものの
      本当の輝きに気づけるようになるのかもしれないなと
      思わせてくれたのがとても嬉しかったです♪

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