9月30日、私にとっての最後のFM COCOLO PACIFIC OASISで
沖縄へ移住する理由をお伝えしました。
ご存知ない方は、よければ
このエントリーの前半をお読みください。

デリケートな内容だったので、ラジオではオブラートに包んで
お話したつもりです。
それでも、そんな理由で辞めるのだと驚かれる方もいらっしゃるだろうと
スタッフ共々ある程度予想はしていました。
でも、予想をはるかに上回る反応が番組にも、私のSNSにも届き、
実はFacebookのメッセンジャーを通していただいたメッセージも
相当の数となりました。
その中の多くが「実はうちの子供もいじめられていて」とか
「うちの子も学校へ行けていなくて」
「私は中学3年間不登校でした」というような内容でした。
内容もさることながら、
驚いたのはその数。
まるで世の中の半分くらいの子供がいじめや不登校を
経験しているんじゃないの?
くらいの感覚になっちゃいました。
私がラジオの電波を通じてお伝えしたことをきっかけに、
「真美子さんだけにはお伝えしますが」とか
「コメント欄には書けませんのでメッセンジャーで」
といった書き出しで、たくさんの方々が
プライベートでの苦しい経験を教えてくれていたのでした。
そんなメッセージたちに
埋もれるようになっているのを見つけたのは、
奈良市の仲川げん市長からのご連絡。
市長と私の共通の友人が、ちょうどいいタイミングで
私のラジオを聴いてくれて、
私が沖縄へ行く理由を知り、
ショックを受けたことを綴ってくれていました。
無意識の差別感覚、「違う」というイメージの使い方の薄さ、
そして、もともと人は違っているわけだし
それを認めてなんとか生きていこうということを共有するのが
こんなにも難しいなんて。
というような、まさに私の言いたいことを的確に捉えた
投稿をしてくれていたんです。
それを読んだ、仲川げん奈良市長が、
「いじめ対策を大号令あげてやってきていたつもりだったのに
申し訳ない気持ちだ」ということを始め、
詳しいお話を聞かせてもらえないだろうかという内容の
連絡を下さったのです。
そして、先日、奈良市役所の市長室を訪ねました。
せっかく市長に話を聞いてもらえるのだから、これまでの経緯を
しっかり時系列で話せるようにしておこうと、前日の夜中まで
準備をしました。
娘のいじめが始まって、
学校との話し合いが定期的に開催されるようになってから、
学校とのやりとり、娘の言動、学校での出来事、
教師から言われたことなどをすべてノートに書いていたんです。
それを全て読み、お伝えしたいところを中心に時系列でまとめました。
つまり、久しぶりに娘の苦しかった時期のことを読み返したんです。
大人たち(教師たち)に囲まれて話すと「丸め込まれてしまうと感じる。
自分の言いたいことがちゃんと届いていない感じがする」と訴える娘に
「そんなこと言われて、先生は傷つきました!怒ってます!」
と逆ギレした女性教師。
こちらがもう1度話をして解決させようと思っているのに
学校では娘を無視し続け、しびれを切らした私が
校長室にその先生を呼び出してもらった時のこと。
いつまでたっても謝ることもなく
だんまりを決め込んだ女性教師に、
娘がボロボロと涙を流しながら
「先生、なんで無視するの?!」と言っても、
先生は無表情に黙っているだけだった時の悔しさ、もどかしさ。
物が隠されることが続き、教室の中にいるのが不安になり
居心地の悪さのあまり教室を飛び出した娘。
探しにきた男性教師が娘を見つけた瞬間、
「お前がこうやって出て行ったら、
俺はお前を探さなあかんねんぞ。
さっきまで職員室で丸つけしてたんや。
俺の時間返せ!」と
言ってきて唖然としたこと。
登校してすぐに同級生たちが娘の姿を認め
「なんであいつ来たん。うざ」とか「臭い」とか
言われたので、担任の先生の元へ走っていき、
「もう帰る。ママにお迎え来てもらってください」と
頼んだ朝。
出勤前に慌てて学校へ迎えに行き、娘を車に乗せた瞬間
車の中で娘が大声で泣き崩れたことなどなど・・・。
記憶に蓋をしていたことがドバッと飛び込んできて、
何度も涙をぬぐいながら時系列にまとめる作業をしました。
その甲斐あって、市長にはしっかり話を聞いていただけて、
実際に娘が不登校だった時に
私が考えたことなどもお話しできました。
例えば、学校に行けない子が、
家以外に安心できる居場所(フリースクールなど)の情報が
一元化されて提供されるとありがたいです、などなど。
子供のケアに精一杯の場合、
フリースクールを探して、連絡して、
予定の合う日に親子で見学に行くという作業すら
大変なこともあると思うのです。
少なくとも、私はそうでした。
それにしても・・・
思った以上に多いんですね。
学校の中で苦しんで、結局学校に行けなくなってしまう子供達が。
私がラジオでお話ししたことで、
意外と身近な方も同じような悩みを持っておられたり
かつて経験されたりしたんだということを初めて知りました。
こんなにたくさんおられるのに、表に見えてこない。
言いにくい雰囲気があるのだろうなと思いました。
言えないから余計に苦しいのだなと気づきました。
私も、娘がいじめられ始めた頃は、誰にも言っていませんでした。
こんなネガティブな話、職場ですべきじゃないと考えたり、
一時的なことで、しばらくしたら収まるんじゃないかと楽天的になったり、
こんな話して、モンスターペアレントって思われないかなぁとか、
言わない理由は幾つでもこじつけることができました。
でも、周りに話をし始めると、すごく親身に聞いてくれたり
職場でも「最近娘さん、どう?」って声かけてもらえたりして
少し気持ちが楽になりました(状況は変わらずとも)。
だって今思えば、
周りにもたくさん苦しんでいる子がいるんですもの。
他人事だなんて思えないはずなんですよね。
だから今、私がすごく気になっているのは、
子育て世代が、いじめや不登校などの子供さんを抱えて
心身ともに疲れている状況なのに「助けて」と言えない
状態になっていないのだろうかということ。
もっとみんな気楽に話せる場などがあればいいのになと思います。
「仕事に行く前に子供のお昼ご飯を用意しなきゃ行けないから
朝がバタバタで大変〜」
「そうよねー。給食食べてくれたらいいのにねえ・・・」
なんていう不登校の親アルアル(なのかな?)話ができるくらいの
カジュアルさで集えるような場所。
何も解決もしていないとはいえ、そういう場所で話ができれば
親の孤独は少し解消されることでしょう。
親の孤独が解消されれば、少しは余裕を持って子供と向き合える。
それだけでもちょっと楽になれるんじゃないかなと想像しています。
そしてそのような場所で、私みたいな人間が口火を切って話せば
「実はうちもなのー」ってわいわいできるのかもしれないって
思ったりもしています。
親も子もひとりぼっちにならないで、
みんなが機嫌よく幸せに暮らせるにはどうしたらいいのだろう。
私に何ができるだろう。
最後のオンエア、そして予想以上の反響をいただいて以来
ずっとそんなことを考えています。
そしてあのような話を電波を使ってさせてもらった以上、
これからも問題意識を持って、自分のできることを探していこうと
改めて決意しました。
仲川市長、ありがとうございました。