JOKER(10月4日〜公開中)

公開前から「早くJOKERのレビューを書かなきゃ!」と思いながら、

目の前にそびえ立つ壁が大きすぎて、なかなか書けずにいました。

 

まだPACIFIC OASISを担当していた9月中に観せてもらっていたので

翌日コングさんに「昨日、JOKERの試写を観てきたよ」と報告。

「どうだった?」と聞かれた時に、とっさに出たのが

「悲しかった」という言葉でした。

「怖いんじゃなくて、悲しかったの?」とコングさん。

私にはとても悲しく思えました。

 

バットマンの舞台のゴッサムシティで生きるアーサーという男が

スーパーヴィランである「ジョーカー」なった経緯を描いた作品です。

 

病気の母を助けながら、人を笑わせたいという一心で

コメディアンを目指していた心優しい男性だったはずなのに、

何が彼をジョーカーにしたのか。

貧困、(おそらくトゥレット症候群かと思われる)突然笑い出す発作、

治安の悪い街・・・。様々な条件が重なって、追い込まれるアーサー。

 

 

ジョーカーの役は、古くはジャック・ニコルソン、

そして恐ろしいほどのはまり役だった

ヒース・レジャー(この役の後ヒースは急死。

ものすごくショックだったことを今もくっきり覚えています)。

さらには「スーサイドスクワッド」では、ジャレッド・レトが

見事な役作りで演じていました。

ものすごくハードルの高い役です。

 

そして今回のジョーカー誕生のストーリー。

ホアキン・フェニックスが24キロのダイエットをして

「栄養失調の狼」のような役作りをして臨みました。

身のこなし、表情、時には老人のように背中を丸め、

時にはスポットライトを浴びて踊るダンサーのように

しなやかで軽やかな身のこなしを見せるホアキン・フェニックス。

ジョーカーが憑依していました。すごかった・・・。

目をそらしたくなるような救いのない展開なのに、ジョーカーから

目が離せませんでした。

 

 

いつの間にか、正義と悪がぐるりと入れ替わる感じ。

自分の常識が試されるような危うさ。

きっとこの「JOKER」を観た後に、バットマンシリーズの作品を

見直すと、見え方が以前とは違ってきそうな気がします。

 

 

この映画、入り込むと結構メンタルきついかもしれません。

あるタイプの人たちには全然ピンとこないかもしれません。

私にはひたすら悲しかった。

誰だってジョーカーになりうる可能性があることも怖かった。

今の社会では、これが単なるフィクションと思えないのも辛かった。

 

 

トッド・フィリップス監督をはじめ

映画人たちが魂を込めて作り上げた作品。

敬意を込めて、お勧めします。

“JOKER(10月4日〜公開中)” への10件の返信

  1. アメリカ本土でも
    色んな事件を起こしている映画、
    見にいくべきか迷ってました。
    怖いだけなら気軽なのにな、
    と感じてたんですが。。。
    やっぱりそうなんですか。
    もうちょっと悩みます。
    分かりやすくレビュー、
    ありがとうございます。

    1. 日米同時公開だったので、余計にアメリカの情報も気になりますよね。
      精神的にちょっと落ち込んだりしている時や、
      人間関係がしんどい時などは、
      避けたほうがいいかもしれませんが、
      もし見られたら感想教えてくださいねー。

    2. 観たら自分が病みそうですねぇ
      ジャック・ニコルソンのジョーカーがコミカルで観やすかったですね😅あまり苦しくなると娯楽の域をこえてしまいそう…観に行く勇気がないっす

      1. メンタルやられている人はJOKERを見ないほうがいいと、
        精神科医の先生がおっしゃったという話も聞いたことがありますが。。。
        私はこれまで、ヒース・レジャーのJOKERが最高傑作だと思っていました。
        でも、ホアキン・フェニックスは新たなジョーカーを見事に作りあげ、
        映画史に名を刻んだなと確信しました。

    3. 昨日観てきました。
      この映画を観るにあたり ロバートデニーロの
      King of comedy,
      Taxi Driver
      をみた方が良い、という事で
      King of comedy
      を先週Amazonで観ました。
      より深く観れたような気がします。
      ですがラストがどうしても納得できなくて、未だ一緒に観に行った息子とあれやこれやdiscussion しています!

      1. ちょっとモヤモヤしたり、引っかかったりするところも含めて
        「ジョーカー」なんだろうなと思います。
        息子さんと一緒に話し合えるって、とてもいいことですよね。
        デニーロ作品へのオマージュもいっぱいありましたし、
        デニーロとホアキンの演技バトルも圧巻でした。
        2人のやり取りのシーンで、つくづく人間は1側面だけでは分からないものだと
        実感させられました。

  2. 真美子さん、こんにちは^^
    秋晴れの空から、台風の影響はまだ見えてないけど、色々中止になる等、大変。大事なく通過して欲しいです。

    “ジョーカー” 悲しい、怖い映画だったんですね… >_<
    真美子さんのレビューを読んで…
    観る人によって感じ方に温度差があるかもしれないと思う…
    色んな論評がある中で、ワタシは昔観た映画を思い出しています。

    "エレファントマン" …
    この作品はワタシが観た映画の中で一番哀しくて辛くて忘れてしまいたいとさえ思った作品。
    (ディズニーの"ノートルダムの鐘"の元?にもなったとも聞いた事があった。定かではないけど(〃ω〃))
    全編モノクロームだったと思う。
    その分陰鬱で、より背景が際立って見えた。
    誰からも愛されず、貧しく孤独で、病気によって異形となりながら隠れるように生きているのに、非道な人からその姿を見世物にされて生きる主人公。この世に神も仏も無い!と怒りさえ感じた、心が痛む作品。

    ただひたすらに彼を支えたのが旧約聖書の詩篇23:1〜6だった。この詩があまりに神々しくて、余計に悲しかったなぁ。
    忘れたかったのに、鮮明に思い出せるシーンがあって。
    今観直すと、どう感じるだろうか…

    "ジョーカー"も、今と、この先のいつかで、観るのとで感じ方が変わるかもしれない。
    そんな映画なのかな…
    観られるかなぁ…

    1. エレファントマン。そう、モノクロの、とても辛く悲しい映画でしたね。
      今の時代なら、人権問題などにも発展しそうな内容ですし、
      信じられないストーリーだったなぁと改めて思います。

      「ノートルダムの鐘」のカジモドも同じく異形の主人公の心が切なくて
      見ていて本当に痛くなってしまう作品ですものね。
      と、同時に見た目で判断する人間、相手の心なんてないも同然の扱いをする人々に
      恐ろしさを感じます。

      JOKERは、今の時代だからこそ、その痛みがより伝わるように思いました。
      未来のことは分からないので、なんとも言えませんが、
      今、作られたことに意味があるのだろうと感じています。

  3. この映画は必ず見たいと思っています。昔から惹かれるキャラクター、ジョーカー。学生の時の観たジャック・ニコルソンのジョーカーを観て衝撃を受け大好きになりました。スーサイドスクワットのジャレッド・レトもハマり過ぎでした!!今回は何故、ジョーカーになってしまったのか。皆さんの感想は重い。気が重くてしばらくの間、何もする気が起きなかった…。観ておかなければ!!です!!

    1. ジョーカーの存在感、これまでの歴代の俳優さんたちが
      それぞれ作り上げてきたイメージも大きいですよね。
      でもまた今回、新たなジョーカー像が生まれましたね。
      今の時代だからこそより響いてくるジョーカー誕生物語。
      日本でも異例のヒットになっていることが、
      良くも悪くも時代を反映しているように思えてなりません。

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