「大丈夫」は世界の言葉

先日9月2日(月)に、大阪ガスが主催したアスリート食・Doという

トークイベントに、司会で参加させていただきました。

 

ゲストは、日本におけるトライアスロンのパイオニアの白戸太朗さん。

アスリートの目線から、食についてのお話を伺いました。

トライアスロンだけでなく、アイアンマンレースというさらに過酷な

レースにも挑んで来られた白戸さん。

 

トライアスロンの最も一般的なレース、オリンピックディスタンスは

スイムが1.5km、バイクが40km、そしてランが10km。

アイアンマンレースは

スイムは3.8km、バイクは180km、そしてランは42.195km。

消費カロリーも、体重60キロ〜70キロくらいの男性だと

5000kcal〜6000kcalとのこと。

試合時間ももちろん長く、10時間を超えるほど。

 

そうすると、水分とカロリーの補給がとても大切になるんですね。

水分補給はレース中に10リットル!

「1日に2リットルの水分を摂るといい」とよく言われますが、

1日2リットル飲むだけでもそれなりに意識と努力が必要ですよね。

それを、走りながら10リットル飲むだけでも大変。

お腹タポタポになりそうです。

でも「今飲む水分、今摂る補食は、この後1時間後、2時間後に

とても役に立つ。今飲めなければ、食べなければ、

1時間後、2時間後に絶対に足が止まるんです」。と白戸さん。

 

もちろん補食も走ったり、自転車を漕いだりしながら。

最も必要な栄養素は糖質です。だからアスリート用の羊羹などを

ポケットに忍ばせて、片手で持って食べるんです。

「本当はおにぎりとか食べたいんですが、

心拍数が150〜170の状態でおにぎりを食べるのはきついです」。

だから、手っ取り早くたくさんの糖質が食べられる羊羹が多いんですね。

 

「でも、ずっと羊羹を食べてたら、口が飽きるんですね」と

おっしゃる白戸さん。

そこで、口の中をさっぱりさせるアイテムが必要になります。

塩のタブレットや、梅干しなど、アスリートによって工夫があるそうです。

「おしること塩昆布」という組み合わせと同じ感じですね。

 

 

もちろん練習中もどんどんカロリーが消費されていくので、

とにかく食べなければならない。

だから、トライアスロン選手に最も必要な資質は

「胃腸が丈夫なこと」なんだと断言されていました。

 

白戸さんは、胃腸が丈夫だったこと、

たまたまタイからの留学生が家に何年かいて、当時にしては珍しい

タイ料理なども食べる機会があったこと、

そしてお母様の手作りのご飯を兄弟4人でワイワイ食べて育った環境

などもあって、気がつけば味の教育を受けていた、

様々な食を楽しむ素地ができていたとおっしゃいます。

 

だから、世界のどこへ試合に行っても、その地にあるものを

ポジティブに食べることができたそうです。

試合前には絶対に白ご飯のおにぎりを食べたいとか、

試合前日には絶対にパスタを食べたいとか、

いわゆる「勝負メシ」を持っているアスリートも多いですが

白戸さんは「そんなものは持つべきではない」。

 

勝負メシが食べられない環境に遠征に行くことも多かったから、

現地で「タンパク質食べたいな」と思ったら、そこにある肉や魚を食べる。

糖質を多めにしたいと思った時にマクドナルドしかなかった時は、

バンズを多めに食べたりと、工夫をしたそうです。

そしてそれを「あぁ、欲しい栄養が摂れてよかった」と前向きに

受け止めておられたんだとか。

 

「胃腸は丈夫です!」と言い切っておられた白戸さんですが、

それでも、練習で疲れすぎて食べたくない時もあるわけです。

練習の後、筋肉補修のためにタンパク質を摂ろうと思っても、

疲れてボロボロの時にお肉はちょっとキツイ。

じゃあ、今は豆腐なら食べられるかな、納豆ならいけるかなと、

その時の自分が食べたいものを食べる、それが心にも1番いいことだ

ともおっしゃっていました。

 

食べることって、生きる喜びの1つなんですよね。

それはアスリートも同じ。

よく、「食べることもトレーニングだ」と、我慢して、無理して

必要な栄養素を摂るようにしなければならないという話を聞きますが、

白戸さんの話を伺うと「食べる喜びを奪わないアスリート食がいいな」と

つくづく思いました。

もちろん必要な栄養素は補給するけれど、決まった食材だけを

ひたすら食べるとか、決まった調理法だけで作られたものを食べる

ということばかり続いていては、辛いですもんね。

 

ストイックに鍛えて、目標を高く持ってトライし続けておられる白戸さん。

でも、ただストイックなだけでなく、

ちゃんと楽しむことも作っておられる。

ここまで走ったら、これを食べようとか、

練習を最後までやったら、ビールを飲もうとか、

そういう喜びを持たなければ、楽しくなくなるでしょ?と

笑顔で話しておられた姿が、とても印象に残りました。

 

その後のトークでは、

大阪ガスの陸上 朝原宣治さんと、白戸太郎さんとのアスリートトーク。

世界の競技会に自分でエントリーして、自分で飛行機に乗って

現場に行くという形であちこち渡り歩いておられた白戸さんの

冒険談に会場は大爆笑。

まさに自分で世界に通じる道を切り開いて来られたのですね。

こういう第一人者がいるおかげで、今のトライアスロン人口の増加にも

繋がっているのだなと思いました。

 

トライアスロン、アイアンマンレースは、長時間の試合。

だから、何か辛いことがあって、それで心が折れてしまっていては

その後続かないんです。

例えば、自分が飲もうと思っていたドリンクが何かの拍子に溢れてしまった。

あぁ、飲みたかったのに・・・と思うのか

よーし身軽になった!と思うのか。

例えば、コースを間違えてしまった。

あぁ、もうダメだ・・・と思うのか、

もう一回戻って走り直したらええだけやん!と思うのか。

大事なのは「大丈夫!」って思うこと。という話も印象的でした。

スポーツだけに限らず、どんなシーンにも役立てられますよね。

 

世界のどの言語にも「大丈夫!」に相当する言葉があるんですよと白戸さん。

 

韓国語の ケンチャナヨ

英語の Take it easy

フランス語の Que Sera, Sera

スワヒリ語の Hakuna Matata

 

 

実際に自らの力で切り開いて来られた方だからこその

説得力ある言葉たち。

とてもいいお話を伺うことができました。

6 Replies to “「大丈夫」は世界の言葉”

  1. 恐ろしい競技項目ですね((( ;゚Д゚)))
    丈夫が大切!しかも「胃」だとは!
    羊羮もなるほどです!
    ポジティブに考えて大丈夫!
    丈夫と大丈夫が大切(笑)素敵な考え方ですね!
    ケセラ セラって、大丈夫っていう意味だったんですね❗
    色々、勉強になりました‼️

    1. 白戸さんがおっしゃるには「胃は鍛えることができない。ある程度生まれつき持っているかどうか。でも体はいくらでも鍛えることができるから、それは誰でも変われるんです」だそうです。
      そーんな簡単に鍛えるって言われても、実はその裏でものすごいストイックな努力をされているんですよね。誰でもできることじゃないと思うんですけどね。。。

      ケセラセラ、って「なるようになる」みたいな意味ですね。
      なるようになるさー、ってゆったりと励ます素敵な言葉ですね。

  2. 真美子さん、こんにちは^^
    鉄人レースと言われる理由がよくわかりました。スポーツは、食べる事が競技にダイレクトに繋がっているとはいえ、トライアスロンは本当に過酷なスポーツなんですね〜。
    スポーツ音痴なワタシは、元気に美味しく食べられるのが何より幸せ。
    食べず嫌いや偏食せず、旬の食材をしっかり食べようと思います。
    え?食べ過ぎ? 大丈夫、大丈夫… ?
    …じゃね〜よぉ〜^^笑笑

    1. はっ! 飲み過ぎ…
      それもあるあるでした!
      でも。 美味しいから… まぁいいか?
      詞一さん、Let it be〜 ^^笑笑

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