Rachelの滞在をアスリートフードマイスター的観点から綴ってみた

先日、うちに1週間滞在していた友人Rachel のお話を書かせてください。

彼女との出会いはKitchhikeというサイトからでした。このサイトは「食で繋がる地域コミュニティサイト」というキャッチフレーズで「私の家に遊びに来たら、こんなお料理を提供しますよ」と、COOKとして登録する人と、HIKERとして登録して、「あの国に旅行に行ったら、誰かのお手製のあんな料理を食べたいな」などという人たちが一緒に食卓を囲む、マッチングサイトのようなもの。

うちの近くに住んでいる知人のAさんが、「日本の家庭料理を食べさせますよ」とCOOKとしてKitchhikeに登録したところ、「ベルギーから申し込みが来た〜!」ということで、私のところにもお呼びがかかりました。HIKERとしてやってきたのが、ベルギー人画家のRachelでした。なぜ私にもお呼びがかかったかというと、Aさんは英語が得意ではないから。自分がお料理を作っている間にRachel の話し相手になって欲しいとも言われました。

 

私自身前からKitchhike には興味があり、番組でご紹介したこともあったくらい。しかも今回が奈良で初めてのマッチングらしいと聞き「そんな記念すべきお食事会には、ますます行かなければ!」と、家族3人(英語でのにぎやかし要員)でお邪魔しました。

ちょうど1年前の今頃、Rachelと出会ったお食事会の様子。一緒にテーブルを囲むだけで、距離が縮まりますね。

 

 

Rachelは日本のお料理が大好きで、その日も「美味しい」と笑顔でたくさん食べていました。「ベルギーでも私はいつもご飯を炊いて、日本の食材を売っているスーパーで買い物しているの」というRachel。彼女の母語はフランス語で、私の母語は日本語。お互い完璧ではない英語を駆使して話すうちに、なんだか仲良くなりました。

それが1年前のこと。ベルギーに帰国したRachel とは、Facebookで連絡を取り合ったり、時には手紙をもらったりという交流が始まりました。

それから半年ほど経ち、「また来年、日本に行こうと思うの」と連絡が来ました。前回は1回ご飯を食べただけでしたが、今回はもっとゆっくり一緒に過ごそうよと、我が家に1週間滞在することが決まりました。

そういえば、Kitchhike を通じてRachelにご飯を提供したAさんが、「Rachel はグルテンがダメ」と言っていたなぁと思い出し、Rachel に聞いたところ、グルテンと乳製品がダメとのお返事。

つまり、小麦と乳製品を使わないメニューを1週間分考えねばならないということです。そして彼女としては、日本食をできるだけ食べたいとのご希望も。

 

えらいこっちゃ!!

 

だって、日本食に欠かせない醤油は、小麦が入っているではありませんか〜!醤油を使わずに、日本食を1週間⁈ハードル高いっすー!

 

まぁ、典型的な日本食でなくても、日本の家庭料理ならいいだろう、と妥協しつつメニューを書き出しました。例えば、

 

エビとブロッコリーの味噌マヨ炒め

イワシの梅みりん煮

ナスとピーマンのガーリック味噌炒め

豚肉の塩麹焼き

具沢山のお味噌汁

にんじんとごぼうの豚肉巻き(塩胡椒で味付け)

 

などなど。

 

まぁ、なんとかなるかなと思いつつ、Rachelを迎えました。

初日の夕食メニューは、

イワシの梅みりん煮と、
ナスとピーマンのガーリック味噌炒め、
きゅうりと塩昆布の塩麹即席漬け、
玉ねぎとキノコのお味噌汁、
ご飯

でした。

 

Rachel はキレイに完食。やったー!

しかし、このペースだとあっという間にネタがつきそうじゃないか??
しかも彼女はベルギーでお刺身を食べることもあるとのこと。それなら、醤油はもしや使っているの?
疑問に思い、この際、彼女のグルテンフリーについてしっかり聞くことにしました。

 

そもそも、大人になってからの胃の不調、体のダルさといった症状が気になって、検査をしたところ、グルテンが身体に合わないと診断されたとのこと。命に関わることではないが、グルテンフリーにした方が、体の調子はずっと良くなるだろうとのお医者様のアドバイスに従って、米食中心の、グルテンフリー生活に変わったそうです。

醤油は、小麦を使わないで作られている特別なものを買っているし、ベルギーでよく食べられるパンやパスタも全部避けている。たまにそば粉でパンを焼く事があるくらいだと教えてくれました。

 

Rachel はベルギーではいつも自転車で移動しています。長距離も漕ぐし、いいエクササイズになっていると言っていましたが、周りの人たちは「自転車に乗るなら、エネルギーが必要だから、パスタ食べなきゃ!」などと言ってくるそうです。

確かにパスタは、エネルギー源として優秀ですね。そこそこ腹持ちもよく、スムーズにエネルギーに変わってくれるので、マラソンランナーのカーボローディングにも活躍してくれる食材です。

そういえば、ギタリストの布袋寅泰さんも、ライブ前はいつもパスタを食べるから、ツアーが続くとパスタばかり。ツアーが終わると「もう当分パスタは食べたくない」って思うとおっしゃっていましたっけ。

 

グルテンフリー生活のRachel のお話に戻ります。
思ったよりも厳格にグルテンを避ける食生活を徹底している様子を聞き、我が家の滞在中に、体調崩れないように小麦を避けなきゃ!私の責任重大だわ!と、身の引き締まる思いがしました。

と同時に、やはり日本食を作るのに醤油が使えないのは物足りないので、Rachel でも食べられる醤油を探してみようと思いました。ベルギーでも手に入るのだから、日本でならきっと見つけられる!ネットで探せば、すぐ見つかるのでしょうけれど、届くまでの1日2日がもったいない!なるべくなら今日この瞬間から、醤油を使えたほうが楽だ!と、必死になって探しました。
そして、スーパーマーケット3軒をハシゴして、ようやく見つけました!大豆と塩だけで作られている「がんこたまり」という商品名のたまりしょうゆ(本醸造)。

あぁ、このボトルの向こうから後光が差して見えるほど嬉しかった!!私の救世主♡


実際、このがんこたまり醤油を買ってからは、豆腐(冷奴にオクラをトッピング)とか、ピーマンとおじゃこの炒め物(Rachelは多めに作った分まで、全部完食!!)とか、高野豆腐とかぼちゃの煮付け(高野豆腐初体験のRachelでしたが、喜んで食べてくれました)とか、和食の作りやすかったこと。グルテンフリーの和食を希望していたRachelの希望にできるだけ応えたかったのですが、いかんせん、彼女の滞在期間中、私の仕事が普段以上に立て込んでいたんです。あまりお料理に時間がかけられない現実を、このお醤油がずいぶん助けてくれました。あぁ、ありがとう、蔵元 傳右衛門(合名会社 伊藤商店が製造元)。普通のお醤油とは確かに少し味が違いますが、旨味も酸味もしっかり感じられる、美味しいお醤油です。しかも塩分控えめなんだそうですよ。

 

それにしても、今回スーパーマーケットを3軒はしごする中で、たくさんのお醤油の食品表示をひたすら見ていましたところ、なんだかいろんなものが使われている商品もたくさんあることに、改めて気づきました。例えば、アミノ酸等の調味料、カラメル色素、甘味料、保存料などなど。

本来は、大豆、小麦、塩だけで作れる醤油。醸造という過程を経て、時間をかけているからこそ出てくる旨味があるから、シンプルな原材料だけで美味しくなるのですよね。でも、時間をかけずに大量生産すると、丸大豆も使わず、油を絞ったしぼりかすの脱脂加工大豆に、アミノ酸液、そこに化学調味料などを加えて、旨味や甘味や酸味を付け加え、カラメル色素で色をつけたりして、「醤油っぽい」ものを作り上げるんです。

そうして作られたものは「しょうゆ風調味料」という表示がしてあり、本物の醤油とはラベル上でも区別されています。でも並んでいるのは、醤油売り場なんですよね。裏側の食品表示見ずに、醤油だと思って買っている方も多いでしょうね。

別にしょうゆ風調味料だったとしても「ペットボトルで飲み干すようなものじゃないし、1回に使う量なんてたかが知れているからいいや」という考えもありますし、実際、本物の醤油よりも、お値段も安め。全否定するつもりはないんですよ。しかも食品添加物は、厚生労働省によって、人が特定の物質を一生撮り続けても毒性がないと考えられる、1日あたりの摂取許容量が定められています。

 

ただ、アスリートフードマイスターとして、アスリートにアドバイスをするならば、食品添加物の表示には敏感になって欲しいことを伝えます。なぜなら、アスリートの食べる量は、一般の人よりも多いから。もちろんスポーツにもよりますが、カロリー数で言うと一般の人の倍なんてザラです。甲子園の常連校の某高校野球部では、1日に6000kcal〜7000kcalの摂取を推奨しているなんて話も聞きました。ちなみに、厚生労働省の日本人食事摂取基準によりますと、高校生男子で、活動レベルが中程度(座っている時間も多いが、移動や立ち仕事、軽いスポーツなどのいずれかを含む)の人の推定エネルギー必要量は2850kcal。先ほどの某高校野球部員だと、2倍から2.5倍のカロリーを摂っているということです。そこに食品添加物の多い食材が使われていれば、摂取量も一般的な高校生男子よりも増えてしまいます。つまりカロリーを多く必要とするアスリートは、それだけ暴露量が多いと言えるのです。厚生労働省が出している食品添加物の摂取許容量は、あくまでも一般的なカロリー摂取量を基準としていますから、アスリートの場合は食品添加物の過剰摂取に敏感でいるべきなのです。

 

今回のしょうゆ風調味料のことをきっかけに、食品添加物って様々なものがあるなぁと、再認識しました。真偽のほどは定かではありませんが、アミノ酸(旨味調味料)は、つまりはたんぱく質。だから人間の髪の毛や、鳥の羽でアミノ酸液を作ったりしている国があるとかないとか・・・。こわいーーー!!
こんなにも世の中には食べ物がたくさんあるのに、人はいつの間に、食べられないものを、わざわざ食べられるものにしちゃうのでしょうね。全てはコストのため?
体に入れるものなのだから、せめて「食べられるもの」だけにしたいなぁと、すごくすごく思う経験になりました。

10 Replies to “Rachelの滞在をアスリートフードマイスター的観点から綴ってみた”

  1. 一般に市販されている醤油に、小麦粉が作用されていることも、実は只の化学調味料のものもあるなんて、初めて知りました。
    真美子さんの、勉強熱心さ、全てのコメントに応える優しさには感銘を受けて親しみを感じますネ♪
    何時もありがとうございます😊
    これからずっと応援していますネ♪
    inspire

    1. 正しい製法で作られている醤油にも小麦は使われていますし、大豆なしで小麦メインで作られる白醤油という種類などもあります。
      醤油、と醤油風調味料では大違いっていうお話でした。長文読んでくださって、こちらこそ感謝です!

    2. ありがとうございます。コメント返しが遅くなってごめんなさいね。調味料は奥深いです。まだまだ私も知らないことだらけです〜。

  2. 真美子さん、おはようございます^^
    高野豆腐…美味しく召し上がってもらえて良かったですねぇ^^
    色んな事に頑張っておられる真美子さんに感服しつつ、元気とやる気もいただいています。ありがとうございます。
    昨晩、旦那さんと「出汁」の話をしておりました。子供の頃は今みたいに便利なモノが無かったから、昆布や煮干し、鰹節にシイタケ、干しエビなどで手間暇かけて作っていました。出汁がらも再利用してキレイに食べていました。
    今は簡単に手早くそれなりのモノができます。昔の「手間暇かけるもの」は今はとても贅沢なモノになっています。便利さや大量消費の安価さがもっと大事なモノを削り取ってしまったみたい・・・(;´・ω・)
    添加物も調べだすともう恐ろしい事例が溢れるように出てきますね。
    ワタシの様な一主婦に出来る事は限られます。せめて家族や友人には手間暇かけたモノを食べてもらうこと・・・。「忙しい」を言い訳にしないようにしたいです(^▽^;)
    またまた暑い日が始まりました。明日はもう土用の入りですね!!
    暑気あたりなどされませんよう、ご自愛くださいませ。
    長文失礼致しました。

    1. 鰹節を削る、という作業も今は見かけなくなりましたね。うちの娘も、鰹節が大きな塊だということを知りませんでした。
      簡単で便利な食材が手に入る生活を全否定するつもりもありませんし、私も簡単便利な調理法にお世話になることも多々あります。でも、昔ながらの手間をかけたスタイルも、便利なやり方も両方選べる中で、ふさわしいやり方を選んで行くのが良いのでしょうね。
      昨日はうなぎは食べませんでしたが、フライングで数日前にうなぎを食べましたので、きっと元気に夏を乗り越えられると信じております!

  3. やはり現場で見て手に取るって大事やなぁ😅ネットで検索したらそのものの答えはわかるけど逆に調べたものの答えしかわかってないからねぇ🐱しぶいぜ小谷さん👍に、きまってるぅ😎

    1. ネットが便利でついつい頼ってしまうのは、もちろん私もあるのですが。実際に現場に行って手に取ると、こんなブログエントリーができてしまうほど、いろいろ考えさせられたり、ネタを見つけられたりするのですよね〜(笑)

  4. グルテンフリー…私にとっては耳が痛い話…ですが、その方にとって体調に関わるのでしたら、そうも言ってはいられませんよね。小麦アレルギーの方もおられるので色々、考えなくてはいけないのですが…。添加物。私もある本に出会い興味を持ち調べまくりました。厚生労働省の言う添加物の安全性は単体での接種時の物で複合接種時の安全性は調べてないんですよね(-_-;)添加物表示も色々、抜け道があってキャリーオーバーと呼ばれるものや加工助剤と呼ばれるまのは表示が免除など…私も作り手の側から材料の添加物は「無」は難しいので極力少ないものを選んでます。「食」って本当に大切で難しいです(*´Д`)

    1. パンを作る方にとっては、確かにグルテンフリーって悩ましいですよね。私の友人は、ライ麦100%のパンを作ったりしていますが、完成させるまですごい試行錯誤があったようです。

      おっしゃる通り、添加物に関しては、厚生労働省の基準はあくまでも単体での摂取に限るわけで、組み合わせて使われる場合などはわかりませんよね。食品表示を勉強されたユナパパは私なんかよりもずっとご存知だと思いますが、表示もいい加減ですもんね。
      となると、本当に信用できる調味料を使って、信用できるところから食材を手に入れて、自分で作るというのが、目下のところ私のできる1番安心な食なのかなと思っております。(とはいえ、全てを手作りというスタイルを、仕事しながらというのはかなり難しいのですが)

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