機内食で世界を知る?

夫の実家がアメリカのジョージア州アトランタ郊外にあり、7月の後半からDOOR TO DOORでおよそ24時間かけて、里帰りをしてきました。関空から成田へ。成田からアトランタへという乗り継ぎをしたのですが、成田からアトランタへの13時間ほどのフライトは、やはり楽ではありません。

今回は、どうせなら長時間の飛行機でも楽しもうと、機内食のチャレンジをすることにしました。私たちはデルタ航空を利用したのですが、事前にネットを使って食事の希望を出すことができるんです。基本的には、宗教上の理由などで特定の食材を避ける人々のために行われているサービスですが、別に宗教を問わず、人種を問わず、誰でも頼むことができます。

用意されているのは、

  • ユダヤ教の戒律に則ったコーシャー
  • イスラム教徒の食べるハラル
  • ヒンズー教の人々の食べる食事(ベジタリアン向けでもある)

 

これを家族3人、それぞれで頼んでみました。娘はコーシャー、夫はハラル、私はヒンズー。正直、あまり機内食って好きではないのですが、おかげで今回は機内食をワクワク楽しみにできました。

(もし、これを読んで、宗教を軽んじているような、不快な気持ちになれれた方がいらっしゃったら、本当にごめんなさい。私たちは色々な食文化を少し体験してみたかっただけなのです)

 

ちなみに、

・コーシャー:豚肉も、エビ、カニ、タコ、イカ、貝など全面禁止。肉類と乳製品を1つのメニューで食べない(例えばチキンクリームスープとか、チーズバーガーとかはNG)など。

  • ハラル: 豚肉、アルコールなどは禁止。コーシャーと同様、イカやうなぎもNG。

 

  • ヒンズー: 牛が神聖なる存在なので、牛肉は絶対ダメ。牛だけでなく(人によりますが)肉食全面禁止にしているベジタリアンも多い(機内食でのヒンズーメニューも、ヒンズー教徒はもちろん、ベジタリアンの人もチョイスできる内容でした)。卵を避ける人も多いそう。

今回の私たちのフライト中に提供される食事(夕食・夜中の軽食・朝食)3度とも、私たちの元にはコーシャー、ハラル、ヒンズーの食事が届けられました。それも、通常の機内食よりも早く届いたので、「周りの皆さんお先に〜」と、いち早く食事を始めていました。

娘のテーブルにコーシャーミールを載せてもらい、夫がハラルミールを手にしたら、キャビン・アテンダントさんが不思議そうな顔をしました。「あなた(夫)はこちらの食事ではないのですか?」と、コーシャーフードを指差します。夫の外見から「ユダヤ人だろう。イスラム系ではないだろう」と判断したCAさんが混乱したのでしょうね。でも「ううん。これでいいんですよ。僕ハラルを食べます」と笑顔で答える夫。CAさんは「むむむ??」な表情をされておりました。ややこしいことですいませんでした(笑)

 

まずは夕食。コーシャー。

サーモンとグリーンピース&人参のグリル、デザートにはチョコケーキ

 

 

ハラル。

カシューナッツにナツメの乗ったご飯、デザートにはフルーツゼリー(ゼラチン不使用)。

 

ヒンズー。

カリフラワー、豆類、ナッツなどの乗ったご飯、デザートはババロア風の乳製品。

 

もちろん、うちの家族の鉄則「とりあえず味見は全種類」に則って、私も全種類試食しましたが、基本、美味しい!

コーシャー用のサーモンもいい具合にグリルされていましたし、ハラルのカシューナッツとかナツメとか、すごく新鮮でした。ヒンズーのお料理に入っていたカリフラワーやお豆もおいしいー。スパイシーな感じはほぼありませんでした。
というわけで、新鮮な美味しさをむしゃむしゃいただいた夕食となりました。

 

そしてしばらく明かりが消えて、数時間眠った頃に、また点灯。夜中の軽食の時間です。(通常メニューではアイスクリームかホットドッグ)

 

まずポーンとバナナが私たちのテーブルにおかれました。コーシャー用軽食は、あっさりバナナのみ(笑)潔いっす!
そしてヒンズーはフルーツと、クリームチーズのサンドイッチにさらにフルーツ盛り合わせ。

 

ハラルは、レタスやきゅうりの入ったツナサンド。ボリュームもしっかりあるサンドでした。さらにチョコレートケーキにキットカット。やけにチョコレート過多なハラル。そしてコーシャーとのこの差は何なんだ??と爆笑しながら、また3人で分け分け。バナナはごくごく一般的なお味でしたが、ヒンズーもハラルも、サンドイッチはとっても美味しかったです。

 
それからまたしばし消灯の時間があって、今度は朝食。だいたいここまでくると、私は眠気のあまりにこの朝食をほとんど摂らないか、運ばれたことすら気づかない場合もあるくらいなのですが、今回はしっかり撮影もしました。

コーシャーの朝食は薄く焼いた卵焼きに豆料理、チョコレートケーキなどなど。

ハラルはオムレツに茹でたジャガイモ、オレンジジュースなど。

ヒンズーは野菜のカレーにオクラの付け合わせ。

私はヒンズーを食べていたので「むふふ。これが1番美味しい」と思っていましたが、コーシャーを食べた娘は「私が1番ラッキーだった」と思い、夫は「やっぱりハラルが最高」と思っていたそうな。みんなそれぞれ美味しく楽しめたのが何よりです。

実は夕食と朝食、コーシャーだけがやたらとサイズが大きかったんです。通常のトレイに載らない、別サイズのトレイが用意されるほどでした。なのにコーシャーは夜中の軽食がバナナ1本!シンプル!合理性を追求するユダヤ人らしいと、ほくそ笑んでしまいました。

 

そしてもう1つ強く思ったことがあります。私たちは普段、食べたいものを自由に食べる生活をしているので、こういう「特別な」お料理の機会をシンプルに楽しめるのかもしれません。実際にコーシャーを厳格に守っている知り合いは、パーティーなどに行ってもお水しか飲まず、途中で帰ってしまうこともあるようです。まぁ、シュリンプカクテルを食べろとは言いませんが、例えば鶏肉など、食べられるものもあるのに、と思うのですが、食べないんです。屠殺の仕方から細かく決められていて「コーシャーフード」として認定されているものしか、本来食べてはいけないのですから、身元不明のケータリング料理などには手をつけないようにしているとのこと。なんと厳しい暮らし!その辺でひょいっと試食とか、つまみ食いとかできないんですねぇ・・・。でも、それが当たり前になっているから、私たちが思うほど苦痛でもないんだとも聞きました。

旅の始まりを、様々な食文化に触れるチャンスにした今回の旅。というとちょっとカッコよく聞こえますが、単に食の好奇心を満たしたかったということと、他にもう1つ理由があったんです。夫の弟(旅好き。世界中あちこち行っていますし、今もスイスに暮らしています)が言うには「航空会社って、こういう特別仕様のご飯を、フライト前に積み込み忘れることがあるんだ」とのこと。もしハラルフードを頼んだのに、機内に積み忘れていたら、イスラム圏の方にとってはとても居心地の悪いフライトになってしまいます。でも意外とそういうミスがあるそうで、そんな時は200ドル分(航空会社によって、路線によっても多少の差はあり?)ほどの航空会社のクーポンをもらえるんだとか。「だから僕はいつも何かしら特別な食事を前もって頼んでおくようにするんだ。そうしたら、普通と違う機内食を、食べられるし、それは大抵普通の機内食より美味しいし、もしも特別食を積み忘れて普通の機内食になっちゃったとしてもクーポンもらえるし。いいことだらけでしょ」。だそうです。こういうのを旅の達人と言うのか(ちょっと違う?)。
まぁ、クーポンが欲しかったわけではないですが、ちょっと面白い体験ができて(こうしてブログのネタにもなっちゃった)、結局のところは美味しいご飯も食べられて、ラッキーだったじゃないか〜と喜んでおります。

2017年夏のアメリカ旅行で感じた「食」についてのお話、今後もまたUPしていく予定です。

“機内食で世界を知る?” への11件の返信

  1. 目から鱗?!です!
    宗教を重んじる食事は、なんとなく味気ない物?みたいなイメージがあったのですが、たしかに普通の機内食よりずっと美味しそう!そしてヘルシーですね♪海外に行く機会があれば是非事前に申し込みます!身内の方に旅の達人がいらっしゃると、耳寄りな情報や良いアドバイスがもらえますね( ´ ▽ ` )♪

    1. 日本の食事では頻繁に出てこなさそうな食材が入っているだけでも、新鮮でした。自分では思いつかない組み合わせで、ヘルシーなお食事は、いろんなインスピレーションもくれた気がします!

  2. 真美子さん、おかえりなさ~い^^早速、興味深いお話…ふんふんなるほどと読ませていただきました。色んなお国事情や宗教の戒律、生活習慣があるので航空会社のサービスも対応が大変でしょうね。(仕事柄、提供することが多いもので(^^;) ついつい・・・ )
    でも飛行機に乗った時が旅の始まり!!快適にスムーズに始めたいものです。
    機内食も楽しみの一つですもの、選べる楽しみと美味しいのは一番です!!
    色々な立場で選べるのはありがたいですね。特に健康面での制限がある方達には、ある意味命にかかわることも起こり得るのですもの・・・
    どんな時もどんな場所でも、食は本当に大切なモノなんだとしみじみ思います。
    しかし・・・あれほど楽しくて美味しいものを食べて来たのに、帰宅後のお茶漬けに、ホッとしてしまうのはナゼかしら???ねぇ~~~(・。・;

    1. ただいまです〜!読んでくださってありがとうございました^^
      宗教に基づく食事は、思っている以上に充実していることがわかりましたが、アレルギー対応などはどうなんだろう?と、新たな疑問が起こったりしました。くるみのママさんがおっしゃる通り、健康面での制限がある方にとってはかなり重要な話ですもんね。

      そして、日本に帰ってきて、お味噌汁にお漬物、納豆などの日本古来の食事をいただきながら「やっぱりこれよねーーー」と(アメリカ人の夫も含め)家族みんなで噛み締めております。

    1. そうですねー。家を出た瞬間から旅が始まりますよね。そして帰った瞬間、やっぱりすごくホッとしました。

  3. 宗教によって、食事にこんなにも色んなルールがあるんですね!私の職場にもインドの方が、よく来られます(神戸はインドの方が沢山暮らしています)。「豚」が駄目らしく、よく質問責めに合います(;^ω^) でも、そうやって見方を変えて更に体験もする!さすが小谷流!!

    1. インドの方は牛がタブーなので、そのまま全ての肉を避ける方が多いようですね。ユダヤもイスラムも豚はNG。とはいえうちの夫はラーメンの上のチャーシューを「オイシ〜」って、喜んで食べていますが(笑)

  4. こんにちは^^
    私は貝のアナフィラキシーがある関係でいつもコーシャミールですが、アリタリアでは準備を3回も忘れられ、エティハドでも1回忘れられましたよ。

    でもクーポンはなく、散々言い合ったところ、アリタリアでは1度だけファーストクラスの料理が出ました。エティハドでは、裏に1つだけ確保してあったらしいコーシャミールをもらいました。

    機内で死にたくないですからねぇ…。でも出してくれないんですよ…。

    1. あこさん、お返事が遅くなってごめんなさい!

      アナフィラキシーがあるなら、コーシャーミールを忘れられてしまうなんて、命にかかわる問題ですよね。
      普段から気をつけて食べるものを選んでらっしゃることでしょう。きっと私の想像の及ばない気の使い方なのだろうなと思います。
      美味しいものを食べながら、元気で過ごせますように。。。

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